内容説明
乗り物をこよなく愛するわが子が、将来、親の無免許であることを知ったらどうなるかと落ち込みつつ、大詩人、マラルメだってわが子の誕生にびびっていたではないか!と己を鼓舞する仏文学者。「子の誕生」という、誰もがあわてふためく瞬間を、自らの育児体験や偉人たちの例と共に描いたユーモアエッセイ。講談社エッセイ賞受賞作。
目次
生まれ出る悩み
親馬鹿たち
雀のさえずり
鉄路の白薔薇
赤ん坊の食事
乳房の神話学
黒猫のタンゴ
反抗的人間
書物について
ウォーターボーイズ
おばあちゃんたち
みんな赤ちゃんになった
新幹線日和
著者等紹介
野崎歓[ノザキカン]
1959年新潟県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部仏文科准教授。翻訳家、エッセイスト。2000年、J.P.トゥーサン作品の翻訳によりベルギー・フランス語共同体翻訳賞、2001年に著書『ジャン・ルノワール 越境する映画』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞。『赤ちゃん教育』で2006年度講談社エッセイ賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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c_a_m
4
気鋭のフランス文学者、野崎歓の爆笑子育てエッセイ。私は彼の訳した本のイメージしかなかったのだが、やっぱり文学者、言葉は難解だしデリダやらプルーストやら出てくるんだけど結論は自分の子どもは世界一可愛い、子どもがこんなに可愛いなんて早くいってよ!というオノロケなのだった。私のイメージ通り、どうやら籍も長い間入れずに過ごされたようなのだがこういう方が思いきり子煩悩になるんだと改めて理解しました(笑)ステキです!2012/11/11
ganesha
3
四十代半ばにして父親になった仏文学者による育児エッセイ。群像に連載されたものをまとめた一冊。サルトルやカミュ、マラルメに絡めた電車好きの2歳の男の子との日常を微笑ましく読了。谷崎全集に向かう黒猫のエピソードが面白かった。2020/02/19
あさこ
2
教養のある人っていうのは、親ばかである自分を客観的に見せて読者を笑いに誘いながらも、ここまで言葉をつくして子どもがかわいい、と言えるんだなぁと感動&感心。いろんなところでニンマリできて大変楽しくすばらしいエッセイだと思う。2008/09/10
かずえ
1
やはり何度読んでも面白い。特に、身近に2、3歳の男の子がいる場合にはなおさら楽しめると思う。子供は可愛いぞーというのを親バカ全開で語っている野崎先生がいい。2011/11/16
nalo
1
フランス文学ネタを盛り込んだ爆笑親馬鹿エッセイ。子供って、自動的に鉄道オタクになるんだね・・・!硬い文体で完全に子供にデレデレなのが、普段の翻訳文を知っているとたまらなく笑える。。2011/05/21