講談社文庫<br> 十二歳

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講談社文庫
十二歳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 240p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062759281
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



椰月 美智子[ヤヅキ ミチコ]
著・文・その他

内容説明

鈴木さえは小学6年生。ポートボールが大好きで友だちもいっぱいいる楽しい毎日だったはずなのに、突然何かがずれ始めた。頭と身体がちぐはぐで何だか自分が自分でないみたいな気がする。こんな私でも大人になったら、みんなが言うように「何かになれる」んだろうか?第42回講談社児童文学新人賞受賞作。

著者等紹介

椰月美智子[ヤズキミチコ]
1970年生まれ。神奈川県小田原市在住。2002年、『十二歳』で第42回講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。2007年『しずかな日々』(講談社)で第45回野間児童文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zero1

100
光る文章とはこれだ!小学6年生の頃をどれだけ記憶しているだろう?ポートボールに海水浴、先生への憧れと男女差。そして人間離れと何にもなれない自分。加工された記憶としてもここまで描ける表現者は珍しい。自分は誰?父親との共犯関係など微笑ましいようでいて鋭い。私は作者と同郷のため、登場する場所がとてもリアルに脳内で再現できる。レビューが124件しかないのは不思議なくらいの秀作。第42回講談社児童文学新人賞受賞作。2019/08/01

papako

71
久々の椰月作品。12歳の鈴木さえの一年の物語。はるかかなたの記憶だけど、あの頃の女の子の、万能感や達観したような目線、淡い恋心、将来への不安などが淡々と描かれている。やればできるのになんでもすぐ飽きて、ちょっと胸を痛めて。盛り上がりも何もないけど、きゅっとする感じ。楽しめました。でも『しずかな日々』みたいなのを期待してたからちょっと期待はずれ。2019/10/10

ぶんこ

61
子供時代から、少しずつ大人へと育っていく過程での「頭が痛い。人間離れ」だったと分かったのは読み終わってから。途中は心底心配でした。いったいどんな病気なのだろうと。意地悪されているすうちゃんにも優しいし、西田君の秘密を全力で守ったところに感動。なんて良い子に育っているのでしょう。お父さんと気が合って仲良しだからかな。作中に出てくる「ポートボール」という球技を知らなかったので、皆さんの感想を拝見して自分の歳を感じてしまいました。私の小学生時代は時代は「ドッジボール」なのでした。懐かしい。2019/09/11

katsubek

55
初めて読む作家。なかなかいい感じである。毎日毎日変わってゆく心がごく自然に描かれる。他の本も読んでみよう。2016/01/31

エンリケ

51
女の子がひとつ階段を上る12才は特別な年頃。そんなさえちゃんの日常を描いた作品。いつもながらこの作者の子供の心理描写は秀逸。微妙で不安定で無邪気。小さな出来事が深刻に思え、それでも色んな事が楽しくて仕方無い。そんな毎日が生き生きと描かれる。飽きっぽくて無鉄砲。さえちゃんの振る舞いに時にはらはらしたが、良い家族や友達に囲まれ、何とか卒業の日を迎える。周りの大人のアラが見え、自分の限界も何となく見えてくる。なんだかもやもやも消えないが、明日に向かって頑張って生きていく。等身大の少女の物語は終始微笑ましかった。2015/12/17

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