内容説明
「佳苗に会いたがっている」担任の先生に頼まれ、不登校の春名に会うことになった佳苗。ところが、春名は佳苗に復讐したいと言い出す。理由がわからない佳苗は戸惑うばかり。しかもそれ以降、友人の絵里や周囲との関係もうまくいかなくなってしまう。真の友情の姿を、丁寧な心理描写を駆使して綴った感動作。
著者等紹介
草野たき[クサノタキ]
1970年、神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業後、会社勤務。1999年『透きとおった糸をのばして』(講談社文庫)で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。また同作で児童文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ましゃ
44
「ヒトの心はどうして理解出来ないんだろう?」そんな難しい友情、愛情に悩む中学生を描いた本作。何気無いふとした言葉や行動が人を傷つけてしまうし、傷つけられてしまうんだという事を思い出させてくれた作品。相手を思いやるって当たり前の事なんだけど大人になると忘れがちだなぁ。ヒトは好きな人のために何かしてあげたいと思う生き物だ。しかし、それが独りよがりで一方的なものであってはならない。ヒトとの触れ合いは傷を負う事の方が多いけど、我々ヒトは感情と向き合えるんだ。向き合って向き合って成長し、大人になっていくものなんだ。2018/09/02
Rie Komi
3
【図書館本】草野たきさんの思春期系の話が時々読みたくなり、手に取りました。 繊細な心理描写が好きです。 佳苗のような自分の意志がはっきりしてなくて、周りの友達や大人に揺れ動かされる感じもすごくわかります。 親友を独占したい気持ち、そっぽ向かれると傷つく気持ち、傷つくくらいなら深入りしないようにするなど、猫のような警戒心を持ち合わせているんだな。 紗栄子さんのカミングアウトは衝撃だったけど、手紙は泣けた。 2018/05/26
なななろ
2
中学生っぽいなあ。特にグッとはこなかった。2017/07/29
よかよか
2
女子中学生の揺れる心の動きや、成長がよく描かれていました。知らないうちに人を傷つけてしまっていること。言われたことは憶えてても言ったことは憶えていない… そんな自分にきちんと向き合えた佳苗はステキに見えました。2016/11/13
カナエ
2
思春期特有の身勝手さにイライラする!と思いながら読んでいたが、結局誰もが通る道なんじゃないかと思った。傷つけたことすら忘れて、というよりどこかでなかったことにしてるのかも。2014/03/05