出版社内容情報
梅安へ連なる、暗黒時代小説の傑作。
法の裁きの届かぬ悪を、闇から闇へと葬る仕掛人。その元締、音羽の半右衛門の元を訪れた伊勢屋勝五郎は、以前にも「殺し」を頼んできた相手だった。半右衛門は、手練の西村左内に仕事を任せるが……。表題作「殺しの掟」含む、江戸の暗黒を描き、仕掛人・藤枝梅安シリーズの先駆けとなる秀作9編を収録。
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
著・文・その他
内容説明
法の裁きの届かぬ悪を、闇から闇へと葬る仕掛人。その元締、音羽の半右衛門の元を訪れた伊勢屋勝五郎は、以前にも「殺し」を頼んできた相手だった。半右衛門は、手練の西村左内に仕事を任せるが…。表題作「殺しの掟」を含む、江戸の暗黒を描き、仕掛人・藤枝梅安シリーズの先駆けとなる秀作9編を収録。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京都生まれ。『錯乱』にて第43回直木賞を受賞。『殺しの四人』『春雪仕掛針』『梅安最合傘』で3度小説現代読者賞を受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」を中心とした作家活動により、第11回吉川英治文学賞を受賞したほか『市松小僧の女』で第3回大谷竹次郎賞を受賞。「大衆文学の真髄である新しいヒーローを創出し、現代の男の生き方を時代小説の中に活写、読者の圧倒的支持を得た」として第36回菊池寛賞を受けた。1990年5月、67歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とん大西
113
…非情です。文庫の裏には梅安の原形とも書いてありましたが(梅安シリーズは未読ですが)、描かれるのは淡々とした筆致の容赦なき江戸アウトロー。独立した9つの短編。たしかに存在する闇の世界。殺め、殺められていく。淡々と、あたかも日常のように。分不相応な望みにとらわれた「強請」、ドラマチックで躍動感のある表題作「殺しの掟」は趣があって良かったです。2023/02/11
優希
47
再読です。江戸の暗黒街の非常さが感じられました。悪を描き、闇に堕ちていく人間臭さが見事に描かれています。江戸の闇の世界を堪能しました。2024/10/26
優希
45
藤枝梅安の先駆け的短編集なのですね。江戸の暗黒街をアウトローでハードに描いているのに引き込まれました。面白かったです、2023/05/03
えみ
19
梅安シリーズでお馴染みの音羽の半右衛門や羽沢の嘉兵衛、聖天の吉五郎そして彦次郎が登場。香具師目線の話が多く、梅安を読んだ後だと新鮮な気分。だけど、やっぱり闇の世界の話は気が滅入る......2015/08/31
ぶんぶん
18
【図書館】いや~面白かった。 梅安さんは出て来ないけど、その世界を知っている人は納得。 音羽の半右衛門、西村左内、ふさ楊枝の彦次郎、等が短編に登場する。 この姿のまま「仕掛人・藤枝梅安」に結集すると言う流れは必然かと。 殺し技と言うより、殺しを頼まなくてはならない心情、そこがドラマだと思う。 江戸の殺し屋の世界、たっぷり堪能できる短編集です。 池波作品、再び読むのも良いかも・・・2019/11/23