出版社内容情報
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
「それでも、人は、類型の中に夢を見ることが可能です」四季はそう言った。生も死も、時間という概念をも自らの中で解体し再構築し、新たな価値を与える彼女。超然とありつづけながら、成熟する天才の内面を、ある殺人事件を通して描く。作者の一つの到達点であり新たな作品世界の入口ともなる、四部作完結編。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。工学博士。某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φは壊れたね』から始まるGシリーズがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
292
四季シリーズ最終作。遥かな未来に向けての物語か。本書のストーリーはよく解らない。時代もいつの頃を描いているのかもよく解らない。冬は眠りの季節。ほとんどの動物が冬眠に入り、春の訪れを待つ。本書もまた新たなシリーズの幕開けを待つ前の休憩といったことか。英題「Black Winter」は眠るための消灯を意味しているように私は思えた。今後のシリーズで本書で生れた数々の疑問が解かれていくのだろう。但し解るのはそこまでだ。最後またこの作品に戻り、意味を理解する。ある意味本書が全ての森作品が行き着く先なのかもしれない。2019/12/15
ehirano1
237
やはり「有限と微小のパン」を読んでから本書を読んで正解、というのが一先ずの感想です。「有限と微小のパン」の読直後だったので、すんなり入り込めました。本書の最大のポイントは、四季に変化が生じた、という点ではないでしょうか。そしてそれは自発的というよりも、犀川先生や萌絵といった周囲の人物の影響によるものであったと当方は思いました。また、四季に起こった小さな変化は一読者として微笑ましいものでした。2018/02/03
KAZOO
147
この四季シリーズ最後の作品です。私には苦手な作品でした。若い人にはいいのかもしれませんが、どうもどのようなことをいいたいのか作者の思惑もあまりわからずじまいでした。それとこのシリーズは出版社も手を抜いて解説ではなく、読者のいい感想ばかりを掲載しています。つぎはGシリーズになるので少しは満足できるかもしれません。2016/07/27
nobby
141
「神様、よくわかりませんでした…」至高の天才の口にした言葉、それまさに凡人たる自分の思い…作品全般で圧倒的に語られるのは人智を超えた四季故の悲壮や空虚、人間から宇宙まで存在あるいは消滅を問うのはまさにSFいや科学的読物。鬼才による回想ならでは時系列またぎ飛び回る様子に戸惑うばかり…もう知ってはいたものの、いざ前作とは全く別世界と確認しての衝撃は半端ない!そこに飛び交うS&MにVに百年にと周知の人物達に出逢えるのは嬉しい♬他シリーズとのリンク語られ出してから、気になる名前から明かされた事実には驚愕止まらず!2021/09/12
カメ吉
117
『四季』シリーズ完結。この『冬』は特にややこしかった。天才・真賀田四季の過去、未来、そして現在はいつなのか?読解力が足りなかったのかと思いました。しかし読み続ける事が出来る不思議な作品。そして『F』や『有限と』などとリンクして繋がる展開も面白い。どの森博嗣作品も数学が苦手な私には難解な箇所が多いが引き込まれるのが不思議でそこが1番難解かな。次は未読の『V』シリーズなどを読んでいきます。順番が違うかな?2019/11/03
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