内容説明
金と女に生命をかける、天下放浪の仕事人・顔十郎とはいった何者?東海道を西に走り、薩摩藩のお家騒動に首を突っ込み、東に急いでは亡命清国皇太子をめぐる陰謀の渦中に躍る!次々に直面する危難を自慢の長刀を振るい、知恵を働かせて切り抜けてきた顔十郎だが、今、宿命の難敵・左近との対決が。
著者等紹介
柴田錬三郎[シバタレンザブロウ]
1917年岡山県生まれ。慶大支那文学科卒。在学中より「三田文学」に作品を発表。1951年「イエスの裔」で直木賞受賞。1956年創刊の週刊誌に「眠狂四郎無頼控」を連載、ニヒルな剣士と円月殺法は剣豪小説ブームを呼ぶ。1970年『英雄ここにあり』で吉川英治文学賞受賞。伝奇小説の醍醐味を堪能させる作品を多く残し1978年6月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Richard Thornburg
6
感想:★★★★★ 下巻に入ってもテンポは落ちず・・・というか、むしろ加速してサクサクと楽しく読めました。 事件の規模も上巻よりはスケールが大きくなって、清国の亡命皇太子に隠された十万両の軍用金等々・・・ よくもまあこれだけの事件に首をつっこむなぁと(笑) 下巻で顔十郎の差料は、なんと千子村正であることが判明。 よく斬れるはずだわ(笑) でも、ガラクタ店で斬れそうだと思って、たった1両で買ったというところが顔十郎らしいかも。 最後の最後まで顔十郎らしい強さと滑稽さが楽しかったです。2014/08/05
紫草
5
いろんな事件がおこったけど、解決はあっさりな感じで、その軽さが顔十郎さんのいい所かもしれないけれど、私には少し物足りなかった。なんて、柴錬さんに文句つけるなんて畏れ多いけど、やはり眠狂四郎の方が好きでした。左近ともいつ決着をつけるのか、拐われた後何があってこんな左近になったのか、ってずっと思いながら読んでたけど、ちょっとあっけなく寂しい最後でした。また狂四郎さん読もうかな。数年に1回読み返したくなって、その度に本棚探すの大変なので、電子化してくれないかなあ。2016/10/28