内容説明
ヨロコビとコーフンに満ちた、少年時代の黄金の日々。夏休みには、いかだで海まで川下り。秋には泊まりがけで、堤防の突端までトロッコを走らせる。冬休みにはクスノキの上に秘密基地を作り、幻灯会。手作りの玩具とスリリングな出来事の数々。作家・椎名誠が仲間たちと体験した、小学校5年の頃の大冒険記。
目次
アメンボ号の冒険
ぼくたちのトロッコ鉄道
サンチョ山の秘密基地
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年生まれ。作家。「本の雑誌」編集長。写真家、映画監督の顔も持ち、幅広く活躍する。’89年に『犬の系譜』(講談社文庫)で吉川英治文学新人賞、’90年に『アド・バード』(集英社文庫)で日本SF大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
56
椎名誠の私小説? とすると、初めて小説作品を読んだことになりそうだ。しかし、例の怪しい探検隊的雰囲気は、すでにたっぷり出ていて、この路線を書いたら、もう右に出る者はないだろうと思う。戦後のまだまだ豊かさの乏しい時代とはいえ、だからこそ外遊びに熱中する少年たちの冒険は、かえって豊かに思える。ストーリーが「大」冒険までいかないところが、実話っぽくてよい。2019/05/09
佐々陽太朗(K.Tsubota)
52
椎名氏が小学校5年生のころの体験実話である。これを読んだときの懐かしさは、昭和世代共通のものだろう。私も小学校のころ、近所の上級生と手作りのボートを川に浮かべて遊んだことがあるし、近所の山に秘密基地を作って戦争ごっこをしたものだ。みんなで秘密基地の近くにあった謎の赤い実を食べて、その夜、近所の子供は全員嘔吐に苦しんだのは今でも忘れることのない思い出だ。読んでいて涙が出そうな程の懐かしさがこみ上げてくる。あのころ、毎日をワクワクしながら遊んでいた。そんな子ども時代があってほんとうに幸せだった。2024/09/13
S.Mori
14
作者の自伝です。読みながら子供の頃に時間がたつのも忘れて、友達と遊び回っていたことを思い出しました。1話の「アメンボ号の冒険」では、少年たちが実際に筏を作り上げて、海を目指します。彼らのわくわくした気持ちが読者にまで伝わってくる良い作品でした。滝で立ち往生したりして間一髪の時もあるのですが、無事に海に到着。筏は流れの中に放置されます。それを降りた後に、リーダー格の少年がこれはアメリカまで行くんだ、と言う個所が好きです。子供の頃のこんな経験は、大人になったらかけがえのない思い出になるでしょう。2020/04/03
秋
9
子供時代の無茶話。廃材で筏を作って川下り。立入禁止の工事現場に潜入。木の上に秘密基地。子供の頃を思い出すそんな話ばかり。児童書よりな作品。竹製秘密基地は今でも作ってみたいね。筏作って川下りまで無茶はしてないけど、子供の頃って結構無茶してるな~としみじみ思い出す。2016/10/02
あみか
7
★3 きらきらした子どもの頃の思い出。自分も小さい頃に探検や冒険に憧れたことや、ちょっとしたことに胸躍ったことを思い出します。まぁ私は小さい女の子だったので、シーナさんほどの冒険はできなかったのですが・・・2010/03/18