内容説明
「あの子を見つけ出してほしい」英国北部の田舎町で犯罪捜査部首席警部を務めるアラン・バンクスは、家出した上司の娘エミリーの所在を追い、ロンドンの退廃的区画に足を踏み入れた。手がかりは、彼女があられもない姿を晒しているポルノサイトのみ―。英国抒情派ミステリーの実力派が放つ、胸震わせる物語。
著者等紹介
ロビンスン,ピーター[ロビンスン,ピーター][Robinson,Peter]
1950年英国ヨークシャー生まれ。リーズ大学卒業後、’74年にカナダへ移住し、ヨーク大学で博士号を取得した。’87年アラン・バンクス首席警部を主人公とする『罪深き眺め』でデビュー。登場人物の心理や事件の背景を丹念に描いて深い余韻を残す同シリーズは、現在までに16作が書き継がれている。第10作にあたる『渇いた季節』で2000年のアンソニー賞、バリー賞をダブル受賞。’01年にはMissing in Actionでエドガー賞最優秀短編賞を受賞するなど受賞歴多数
野の水生[ノノミオ]
東京生まれ。訳書にP・ロビンスン『渇いた季節』(講談社文庫)、J・ガヴィン『その歌声は天にあふれる』(徳間書店)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
8
首席警部アラン・バンクスのシリーズ。1998年作品から読み始めて本書で4作目。だんだん長くなり、本作からは上下巻に分かれる。この作者のシリーズ、性格や情景の描写が丁寧でストーリーを追うのに邪魔にならない。今回作品はテンポも良い。これまで主人公に何かと圧力を加え、干しても来た本部長が、娘が家出をしたとしてその所在を私的に探索するようバンクスに依頼してくる。本作で嫌味な上司のこれまでの心中が次第に語られる。興味をつなぎつつ下巻に進む。2021/08/19
天翠
1
前半のエミリーを連れ帰るまでがピーク。その大切なエミリーがあっけなく死んでしまい、これから義憤に駆られた警部が颯爽と捜査しまくるのかと思いきや、まったく進展しそうにない小物悪党の捜査をノロノロ行い、証拠がないのに(集めもしないのに)悪党面してるからと容疑者候補を付けねらう。そりゃ、別居中の妻とも上手くいかんわ…。2011/10/14