内容説明
金沢藩の財政改革をめぐる大槻伝蔵と守旧派の攻防を追う「加賀騒動」、近藤勇が求めた名刀虎徹に新選組神話成立の理由を見る「虎徹」、上野戦争で散った彰義隊への鎮魂の譜ともいうべき「玉瘤」―。将軍吉宗の享保年間から徳川終焉の幕末維新まで、迫り来る国内外の危機と新たな時代への鳴動を描く珠玉の8編を収録。江戸三百年の足跡をたどり、現代へと続く歴史を時代小説で味わうアンソロジー。
著者等紹介
縄田一男[ナワタカズオ]
1958年、東京生まれ。専修大学大学院文学研究科博士課程修了。文芸評論家。『時代小説の読みどころ』(日本経済新聞社/増補版・角川文庫)で中村星湖文学賞を受賞。『捕物帳の系譜』(新潮社)で大衆文学研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨウゾウ
1
「殺された天一坊」浜尾四郎、「加賀騒動」安部龍太郎、「近藤富士」新田次郎、「釜中の魚」諸田玲子、「虎徹」司馬遼太郎、「青梅」古川薫、「龍馬殺し」大岡昇平、「玉瘤」子母沢寛の短編時代小説八編。 江戸時代後期~幕末にかけての短編時代小説集。 名奉行大岡忠相の心理を描いた「殺された天一坊」、彰義隊の顛末を講談調で綴った「玉瘤」が印象的でした。2025/06/17
金糸雀
1
江戸のこうき。幕末、やぶれしものたち。まけたが腐らずにねをはる。生きただけ、信じただけ。2019/10/13
雨巫女
0
「青梅」がよかったです。山口県と縁があるものとしては。(龍=008/3)2010/01/31
cybertiger
0
下巻の舞台は、吉宗の時代から幕末。8つの短編から成る。「殺された天一坊」は、いわば裏読み大岡政談、「虎徹」は『新撰組血風録』に収められていたもの。「龍馬殺し」は辛口の龍馬論、龍馬ファンは納得出来ないかも、”船中八策”虚構説を知らないと見逃しそうな記述がある。初心者向けではない。「青梅」は、望東尼との心の触れ合いを中心に高杉晋作の後半生とその死を描く。晋作を取り巻く女性たちの心理に焦点が当たっている。晋作の葬儀で沿道の町人や農民が飛び込みで加わったため参列者が千人にも上ったというシーンには感動させられた。2022/06/15
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