出版社内容情報
自分は全部自分だと思うのは。――勘違いか。
ものすごい勘違いですよと少年は云った。
「俺個人がねえだと?」。胡乱(うろん)な健康法を伝授する「長寿延命講」のからくりを暴き、嘯(うそぶ)く“心霊少年”藍童子(らんどうじ)の言に刑事・木場の心は乱れた。折から富豪・羽田隆三の依頼に応じて伊豆下田に赴いた織作茜の前に再びあの男が現れていう。「しりたいですか」。それは新しい道ならぬ黄泉路(よみじ)へと茜をさしまねく声だった。
京極 夏彦[キョウゴク ナツヒコ]
著・文・その他
内容説明
「俺個人がねえだと?」。胡乱な健康法を伝授する「長寿延命講」のからくりを暴き、嘯く“心霊少年”藍童子の言に刑事・木場の心は乱れた。折から富豪・羽田隆三の依頼に応じて伊豆下田に赴いた織作茜の前に再びあの男が現れていう。「しりたいですか」。それは新しい道ならぬ黄泉路へと茜をさしまねく声だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
143
(承前)一柳朱美に続き織作茜まで登場し、京極流スターシステムが面白くなったと思った途端に茜が殺されてしまう。しかも容疑者は壊れかけた関口で上巻の奇妙な展開が結びつき、一方で木場修は暴走を始めるが中禅寺と榎木津は平然たるもの。通算1千頁を費やして普通なら解決編のはずが、ほとんど話は進まず前半終了なのだから。あまりに多くのキャラと謎が相次ぎ、どこから解決の糸口につながるのか不明で迷宮に閉じ込められた気分だ。ただ信じられないほど悠々たる展開ながら、まるで退屈や面倒が感じられない筆力は恐るべきだと改めて痛感した。2026/07/20
がたやぴん
82
内容にどう触れてもネタバレ。やっぱり満を持して登場したのは君なんだね。姑獲鳥からこれまでが序章とも取れる展開。前作の時に、コレは姑獲鳥のエピローグなの?それとも姑獲鳥はコレのプロローグ?今後の事件も織作に収束するの?とか構成の巧みさに圧倒されてました。今回はそれをあっさり超える傑作。正に宴のように妖が多数登場し、キャストもオールスター。読了後、頭の中には数学の集合の概念図で満たされていた。補集合とか、こんな式A⊂B(部分集合)とかで簡単に整理整頓できないかもしれないが、これ程の情報は受け止められない。2017/01/07
セウテス
75
下巻。上巻に書いたが、本作を読んで「ふざけるな」と叫びたく無ければ、先ずは「宴の始末全3巻」を用意すべき。「しょうけら」では刑事の木場が遂に登場、彼の元に四六時中視られているという、女性の相談がくる。木場が捜査をすると、条山房の長寿延命講が関わっている事が解る。「おとろし」では前作の織作茜までが登場し、関口が訪ねた韮山山中に、どうやら謎の中心が在る事が感じられる。各話で視点が異なり、他の作品からの繋がりを使い、話を多重化して深みを持たせる手法は素晴らしい。予想外の結末の前に、予想を上回る展開には脱帽です。2018/01/09
えみ
56
刑事・木場修太郎に京極堂が「しょうけら」を語れば、織作茜は妖怪研究者・多々良勝五郎に「おとろし」の存在を知らされる。再読して改めて知るこの世界観の絶妙なバランス。強欲で残酷で本当に恐ろしい存在は人間だと誰もが理解できているのにそこに異形の者…神仏や妖が挿入されるだけで一種異様の深みが増す。関口巽が鬱々と精神崩壊が限界に達する頃、京極堂をはじめ関係者各々が、それぞれの場所でそれこそそれぞれの奇怪な出来事に遭遇していた。次巻からは高度なパズルが組みあがっていくように正体と真実が暴かれる「宴の始末」に突入する。2021/10/02
ゆいまある
55
ハードボイルド木場と猫目のお潤登場。ワクワクするなあ。またしても催眠術に操られる人。後催眠恐るべし。織作家の生き残り、茜も登場。弱気だった茜が本気を出してきていよいよ、というところで、え!?関口くーん!!今回は解説が多いからか、ページ数の割に動きに乏しい印象。お得意の群衆シーンもなく、登場人物もぽつぽつしか出てこなくて絡みが少ない。まだ前編ということか。多分今からどーんと盛り上がると信じて、宴の始末に期待。羽田さんは丹後の人なのにどうして関西弁なんだろ。丹後弁使って頂きたい。2019/01/17




