出版社内容情報
「でも、あのう、お二人に会いたいって人が――」「会いたい？誰？」「蜘蛛の僕（しもべ）の――人達が」
「ふふふふふ。蜘蛛を信じる仲間ですわ」。房総の女学校・聖（セント）ベルナール学院の生徒・呉美由紀は校内に潜む背徳の行為と信仰を知って戦慄する。連続目潰し魔に両目を抉られた教師・山本純子は呪われて死んだのか。そしてもう1人、教師の本田幸三が絞殺され、親友・渡辺小夜子が眼前で校舎から身を投じた！
京極 夏彦［キョウゴク ナツヒコ］
著・文・その他
内容説明
「ふふふふふ。蜘蛛を信じる仲間ですわ」。房総の女学校・聖ベルナール学院の生徒・呉美由紀は校内に潜む背徳の行為と信仰を知って戦慄する。連続目潰し魔に両目を抉られた教師・山本純子は呪われて死んだのか。そしてもう一人、教師の本田幸三が絞殺され、親友・渡辺小夜子が眼前で校舎から身を投じた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がたやぴん
77
分冊１には三つの話が描かれている。最初の木場修の追う事件にすごく惹かれ直ぐに引き込まれた。なぜかここだけ登場人物も少なく、刑事目線で整理され格段に読みやすい。まるで推理小説ですwww２つ目は、別の場所から最初の話に一部リンクする。三つ目は新たな事件。冒頭、章間、巻末に書かれた文章が怪しげで更に引き込まれる。１冊丸ごと序章でした。若干、叙述の香りがしますが、気のせいであることを祈る。2016/12/26
セウテス
70
京極堂シリーズ第５弾。刑事の木場修が、連続目潰し殺人犯と思われている平野を追って、新たに起きた殺人事件の捜査にあたる。ところが２章に入るとキリスト教系のお嬢様学校の、悪魔崇拝の集団が暗躍している話となる。さらに３章は千葉の織作家という古くからの名家で、当主が亡くなり毒殺されたのではと噂される中、本当の殺人事件がおきてしまう。京極堂に関口、いつものメンバーが誰も登場しない、一冊丸ごと作品の導入部だった様だ。三つの物語はどの様に結び付くのか、共通して見え隠れする蜘蛛とは何者なのか、いつもよりどろどろに感じる。2016/01/13
えみ
61
いきなりのクライマックス！まだ何が起こるか分からないのに、もう絡新婦の妖しさが香り立っている。真実という獲物を絡め捕った絡新婦の糸を断ち、跡形もなく消滅させることが出来る人間がいるとすれば、もうそれは京極堂しかいない。世間を騒がせる連続目潰し魔を追い、さっそく始動している刑事・木場の前に意外な人物が現れ、女学校で行われる呪いの儀式に触れてしまった学生は身を投じ、そして釣り道楽者・伊佐間は骨董屋・今川と殺人事件に遭遇する。一巻から複雑に交差し合う糸の妖しさは既に読者は蜘蛛の巣の中だと否応なく実感させられる。2021/08/04
散桜
55
目潰し魔、絞殺魔に閉じられた女学校聖ベルナール学院と黒い聖母の呪い。様々な視点から描かれる導入部分ですが、既に面白い!!女郎蜘蛛…絡新婦は一体なんなのか！久しぶりでワクワクしてます。京極さんの描くクセのある女性陣が大好きです。榎木津さん出てくるといいなー。続きが気になります!!!!!(*＾▽＾*)2015/02/25
里愛乍
42
何やら淫靡で怪しげな事情、事件。大人の世界から一変して、舞台は女学校、目線は女子中学生へ、なにやら私好みの耽美な世界、どちらにしても魅惑的かつ幻想的。一見無関係に見えるふたつの事件も、今は始まったばかり。主要人物たちの活躍もまだまだこれから、いったところです。猟奇殺人、女学生、大人な男女。これらは如何繋がるのか。巻末エピソードの衝撃を残して次巻へ参ります。2018/05/30
