出版社内容情報
浅田 次郎[アサダ ジロウ]
著・文・その他
内容説明
官吏となり政治の中枢へと進んだ文秀。一方の春児は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていた。この時、大清国に君臨していた西太后は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていた。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼ぶ。
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞する
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
318
占い師のお告げを信じ自ら宦官となった春児。持ち前の素直さと恵まれた運に導かれ都へ、西太后の側へと昇る。大国中国が列強各国からの圧力に戦々恐々する中、権力を巡り国自体がベクトルを失う。若く聡明な帝の思いと、国の末期を憂う西太后。真逆のベクトルを示しながらも深き本心を知る者無し。若き二人の英傑が時代のうねりの土俵に乗ってきた!俄然スピードが上がる!それにしても玲玲の健気さ、稀代の悪女の汚名轟く西太后の悲哀に何度も涙した!人間の機微を見事に描き切る!時代、歴史小説が苦手な方にもお薦めしたい類い稀なる傑作‼️🙇2020/04/02
HIRO1970
183
⭐️⭐️⭐️浅田さんの長編、段々とノッテキマシタ。誰が龍玉を手に入れるのか、次が楽しみな展開です。2014/07/06
つーこ
182
春児と文秀は順調に成長を遂げる。ひとつ間違えば拷問や死が待っている世界なのに、活き活きと活躍する2人。読んでいてすごく楽しい。白太太のお告げがこんな結果になるとはうれしい誤算。中国史を全く知らない私なので今後の展開も全然想像できず、逆にこの本を楽しめそうな予感。ただ、袁世凱とか愛新覚羅とか出てくるのに、うろ覚え過ぎて意味不明。残念!それにしても、西太后の独裁政治にはこんな理由があったなんて、ちょっと切なくなった。2013/09/26
修一朗
169
文秀と春児がともに出世街道驀進。進士様になった文秀が憂国の徒となる一方,春児の出世ぶりには驚き。こんな一足飛びに駆け上がるなんて木下藤吉郎なみのジャンプアップだ。乾隆帝時代からの血統の呪い,韃靼族の誇り,カスティリオーネの視点,いろんなものが詰め込まれていてわくわくが止まらない。それにしても西大后の描き方の優しいこと。夫・息子に先立たれてなんとしても光緒帝に政権を委譲したいおばあちゃんとして描かれているなんて。読んだ後は中国の歴史・清帝国の歴史についての印象が変わりそうだ。3巻へ。2024/02/10
KAZOO
164
2巻目では、科挙に合格した方は順調に出世して、光緒帝の側近になっていきます。一方の宦官になった方は後宮を追われた宦官たちから様々な芸や料理の腕前を伝授されます。その後認められ、後宮に入ってからは順調に出世していきます。この間に日清戦争もありましたがほとんど触れられていません。李鴻章はまだ存在感がありますが、次の巻ではどうなっていくのでしょう。2024/08/30
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