内容説明
幕府の屋台骨が軋み始めた天保の江戸。公儀がやんごとない姫君を奸商に売る!?鼻をあかしてやる。希代の盗っ人、吉兵衛は、宵雛に出会った白面の若侍、浅形新一郎と伝奏屋敷から姫を盗み出した。事件は異形の剣豪、すり、常磐津の師匠、元大目付を巻き込み、二転三転…。悪に挑む江戸っ子の心意気溢れる時代ロマン。
著者等紹介
柴田錬三郎[シバタレンザブロウ]
1917年岡山県生まれ。慶大支那文学科卒。在学中より「三田文学」に作品を発表。1951年「イエスの裔」で直木賞受賞。1956年創刊の週刊誌に「眠狂四郎無頼控」を連載、ニヒルな剣士と円月殺法は剣豪小説ブームを呼ぶ。1970年『英雄ここにあり』で吉川英治文学賞受賞。伝奇小説の醍醐味を堪能させる作品を多く残し1978年6月逝去
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感想・レビュー
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Richard Thornburg
8
感想:★★★★ 何となくタイトルに惹かれて読み始めましたが、ご都合主義の勧善懲悪的な部分はあるけど(笑)かなり楽しめると思います。 時代背景的にはちょいと政治的にヤバくなってきたんじゃないの的な天保の江戸。 圧倒的強さの主人公の新一郎ですが、強いだけではなくて男前(笑) 新一郎サンはホントにカッコイイと思うのですが『江戸っ子』という観点からすれば、弥吉あたりの船頭のほうがしっくりくるかも。 とことん憎き大阪商人の堺屋の短筒に新一郎サンが撃たれたところで下巻へ。2016/12/18
しんのすけ
2
休みだったので2日で読んだ。まだまだ先行きがわからない。下巻でどのような展開になるのか、楽しみである。2022/01/10
michan
0
タイトルからしてあまり面白そうではなかったが、読み始めたら「そんな偶然なんてある訳ないだろ」と思いつつも、あっという間に読んでしまった。 主人公朝形新一郎は剣が強く、家を勘当された落ちこぼれ侍だが、一目会ったとたんに女を虜にするくらいイイ男とできすぎ感がある。 三千代、富士絵等々好きにさせたどの女とくっつくのかわからない。 下巻が楽しみだ。2015/04/23
酩酊斉案山子
0
江戸には4、5人しか住んでないんか?というくらい偶然に偶然が重なる箱庭の中で話が展開するが、これがなかなか意外性にとんでて勧善懲悪のよくある話なのに先が読めない不思議な感覚。池波、藤沢といった作家より娯楽性は徹底してる。江戸前のべらんめえは特に秀でて、物語に関係なく飛び出すのが小気味いい。2012/04/21
tai65
0
星3つ2011/01/15