出版社内容情報
次第に日常を逸脱し、世界が崩壊する恐怖を描く異色ホラー!54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる! 謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドの傑作ミステリー。(講談社文庫)
井上 夢人[イノウエ ユメヒト]
著・文・その他
田中 博[タナカ ヒロシ]
解説
内容説明
54個の文書ファイルが収められたフロッピィがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる!謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドの傑作ミステリー。
著者等紹介
井上夢人[イノウエユメヒト]
1950年生まれ。’82年、徳山諄一との共作筆名・岡嶋二人として『焦茶色のパステル』で第28回江戸川乱歩賞を受賞。’86年、日本推理作家協会賞、’89年、吉川英治文学新人賞受賞後、同年、『クラインの壷』刊行と同時にコンビを解消する。’92年、『ダレカガナカニイル…』でソロとして再デビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
111
次から次へと違う人物の語りとしてフロッピーディスクに残された54個もの文書ファイル。誰かが自分のふりをしている疑いを目にしての想い、どうして自分が本物と信じてくれないの!?井上作品らしく掻き回されるばかりかと覚悟するも、思いのほか時系列整理されていてすごく読みやすい。その一方で、語られる事象食い違い腑に落ちない様子に違和感ばかりが増していく。おそらくという予測には行き着いたが、集約された潔さと最後やはり魅せられる仕掛けには感嘆!そしてラストの展開の斬新さはお見事!2016/11/26
takaC
74
とほほ。タイトルに騙された。そっちの意味のplasticかよ〜2014/02/08
はらぺこ
44
早い内に大筋は読めるので残りのページをどう埋めるのか心配になったが最後まで楽しめた。 ただ、有り得るかどうか疑問は残る。例えばトイレとか風呂は? 兎に角、オススメのミステリーです。2011/02/12
かみぶくろ
41
10年近く前にこの人の「メドゥサ、鏡をごらん」を読んで心底震え上がったのを今でも覚えている。普通のホラー小説では味わえない芯に残るそのうすら寒さは、人間にとって真の恐怖とは何かを教えてくれた。本作もホラー色は薄いがその派生系と言えそう。自分とは何か?あらゆる分野で追求されてきた人間の最重要関心事である。プロット自体も序盤中盤の混乱矛盾を終盤で丁寧に解きほぐしてくれてわだかまりがない。なにげにタイトルも凝っている。井上夢人、他の作品も少しずつ読んでいく。2014/11/09
すたこ
34
★★★★始まりは謎だらけで、ワクワクし、中盤謎が解けて、ドキドキし、ラストでは一筋縄ではいかない終わり方にさすがの一言!謎は読み進めていくと分かる仕組みになっていて、だからこそ次から次へと出てくる真実に驚き、最後はそう来るか状態(笑)途中、若干だれるところはあったけど面白かった。2014/07/25