出版社内容情報
航海中の豪華客船 完全密室から人間消失
世界一周中の豪華客船ヒミコ号に持ち込まれた天才画家・関根朔太（せきねさくた）の自画像を巡る陰謀。仕事のためその客船に乗り込んだ保呂草（ほろくさ）と紫子（むらさきこ）、無賃乗船した紅子と練無（ねりな）は、完全密室たる航海中の船内で男性客の奇妙な消失事件に遭遇する。交錯する謎、ロマンティックな罠、スリリングに深まるVシリーズ長編第6作！
プロローグ
第１章 種も仕掛けもありません
第２章 引き続きお楽しみ下さい
第３章 どうかカードを一枚
第４章 取り出しました一本の紐
第５章 上手くいきましたらご喝采
第６章 よくお確かめになって下さい
第７章 いかがでしたでしょうか
第８章 ではご覧にいれましょう
第９章 またいずれどこかで
エピローグ
森 博嗣［モリ ヒロシ］
著・文・その他
内容説明
世界一周中の豪華客船ヒミコ号に持ち込まれた天才画家・関根朔太の自画像を巡る陰謀。仕事のためその客船に乗り込んだ保呂草と紫子、無賃乗船した紅子と練無は、完全密室たる航海中の船内で男性客の奇妙な消失事件に遭遇する。交錯する謎、ロマンティックな罠、スリリングに深まるＶシリーズ長編第６作。
著者等紹介
森博嗣［モリヒロシ］
１９５７年愛知県生まれ。現在、某国立大学の工学部助教授。１９９６年、『すべてがＦになる』で第１回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のＳ＆Ｍシリーズや瀬在丸紅子たちのＶシリーズほか多くの作品を発表し、人気を博している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
303
今回の舞台は海。今回の事件は案外簡単でほとんど解ったがその謎よりも物語の謎、いや保呂草という男の行動こそがメインの謎だったように思う。恐らくそれまで保呂草嫌いだった読者の彼に対する評価は本書で大なり小なり好感を増したのではないだろうか。また今まで道化役だった香具山紫子に焦点が当てられ、てっきり彼女のシンデレラ・ストーリーになるかと思いきや、さにあらず。「マイ・フェア・レディ」になり損ねた紫子が報われる日はいつ来るのか。それとも来ないのか。「わたしの人生っていったいなんやろ」と一人気落ちせずに頑張れ、紫子！2017/11/19
KAZOO
151
Vシリーズの6作目です。前回は空、今度は海の上の密室。ただなかなか事件らしきものは起きないでいつもの登場人物などによるやり取りで進んでいきます。有名画家の自画像の絵をめぐる話です。後半は結構ロマンスものと思いきや、楽しい話でした。映画化するといいのでしょうか？このシリーズの中では上位に入ります。2016/06/26
nobby
128
Vシリーズ⑥前作でのれんちゃんに続いて、今回の可哀想な恋愛ターゲットは紫子さん…正直、保呂草さんに延々と弄ばれるのが痛々しくてキュンとして惚れてまうやろ…プロローグでの「したがって、しばらく事件は起きない。」という大胆な宣言通りに、200頁過ぎてもまだ事件は起こらない！豪華客船で消えた一人の人間と一枚の絵、明かされてみれば痛快そのもの。最後でのハラハラドキドキの機転ぶりや溢れる慈愛やロマンは、カリオストロの城かよ(笑)罪な泥棒許すまじ！それにしても登場人物ほとんどが苦しい恋心に何と翻弄されるばかりなのか…2020/02/26
さばかん
110
定番中の定番、豪華客船内で起こる事件。 それにしても保呂草さんはプレイボーイやなぁ。 三者三様の思惑が絡み合って事件が複雑化するというよくあるようなないような構成のミステリィ。 面白い。 それにしても、なかなか好きになれない主人公（？）だよなぁ保呂草さんて。2019/01/17
KAKAPO
103
３章までの冒頭に挿入される大笛梨枝と羽村怜人の物語は、まるで小手鞠るいさんのラブ・ストーリーのような私好みの展開で、このまま最後まで引っ張って欲しいと思っていたら、途中で何時ものＶシリーズに戻り、前作『魔剣天翔』の後編と言っても良い内容になる。そこからはスレスレアウトの連続技で、最後に、そうきたか！と思わず微笑んでしまう結末に至る。『今はもうない』『有限と微小のパン』にも似た読後感は、好みの分かれるところかもしれないが、１０巻にも渡る壮大なサーガを、大波小波を程よく混ぜながら盛り上げる手腕は流石だと思う。2016/05/26
