内容説明
大手百貨店の総務部長・倉橋は、ある日、身に覚えのない利益供与の容疑で逮捕された。身の潔白を訴えても誰も信じてくれない。会社も弁護士の態度も妙だ。「嵌められたか!?」エリートコースから一転、すべてを失った倉橋の前にある女性が現れて、事態は急変した―。大企業を舞台にした迫真のサスペンス。
著者等紹介
高任和夫[タカトウカズオ]
1946年、宮城県生まれ。東北大学法学部卒業。三井物産入社。’83年『商社審査部25時』を発表。以降、作家とサラリーマンの二足のわらじを覆き続ける。’96年、50歳を機に、国内審査管理室長を最後に三井物産を依願退職、作家活動に専念する
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感想・レビュー
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まつうら
52
会社に総会屋への利益供与の罪を被せられた倉橋。警察に取り調べられ、起訴されて有罪判決となるまでのシーンは暗く裏ぶれていて、著者特有の厭世観と劣等サラリーマン感情が極まっている印象。半沢直樹シリーズの渡真利のような存在はなく、孤立無援のまま何もかも奪われていく倉橋の姿に、会社への怒りがムラムラと湧き上がる。しかし、会社と総会屋を追い詰める逆襲が始まると、今後はワクワク感が高まっていく。やがてラストシーンを迎えるが、倉橋にガッツポーズや笑顔はなく、物語は静かに終わる。感情を揺さぶられ続ける高任ワールドの傑作!2023/05/20
アメフトファン
14
濡れ衣を着せられて逮捕された主人公。一方濡れ衣を着せて更に色々な悪事を企む大手デパート幹部。話としては面白かったがあまり救いがなかった。会社の組織というのは勿論大なり小なり色々な不祥事があるものだと思いますがここまでくると会社としての存在意義がないと思います。この本を読んでほのぼのとした本を読みたくなりました。2013/09/30
かおりっち
7
年末年始、タイミングが合わず図書館に行けずにいたところ、自宅で見つけた一冊。夫が買ったのかしら?面白くなかったわけではないけど、なんだか古臭い感じがした。2019/01/10
B-Beat
3
オークションにてたまたまゲットして読んだ同じ作者の「債権奪還」。池井戸さんの作品風で割りと面白かったが、そんな期待感が裏目に出たのか今回は今ひとつという感じ。文庫背表紙の「概要説明文」がなんかむなしくなる感じ。それは酷評のし過ぎということかもしれないけれど。 2012/05/25
ポケット
2
会社に忠誠を尽くしても会社はというか、上司は簡単に裏切る。信じちゃいけない。責任をなすりつけられた男は泣き寝入りするのか。 読み応えがありましたが、悲しくもなる。 こんな会社ばかりではないだろうが、こんなデパートあったような気がする。2016/06/07
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