内容説明
志賀島の「漢委奴国王」の金印。福岡藩の学者亀井南冥は、明らかに異例な第二の藩校を金印発見と同じ月に開校する。発見に関わった人達が全て南冥と繋がりのある不思議。発見日の記載がない鑑定書。国宝金印は本物なのか?歴史をつくり出す者、謎を解き明かす者。手に汗握る第一級歴史エンターテインメント。
目次
幻の金印
デビルズタワー
男鹿雄山閣
四つの金印
国宝金印の謎
不思議な論戦
明治の過ち
光明真言池
著者等紹介
明石散人[アカシサンジン]
1945年生まれ。美術、歴史、政治、物理…あらゆる分野にわたり博覧強記。独自の視点から、常識・既存の枠組みを打ち破る「新説」を提示し鮮やかに実証する。映画監督・作家・テレビディレクターらに熱狂的な支持者が多い
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
44
疲れた・・・。最初は自分が好きな感じの話やからワクワクしたけど途中から「もーっ、金印なんかどうでもええわー!」って思うぐらい読むのがしんどかった。 恥ずかしながら『親魏倭王』と『漢委奴国王』の二つしか知らんかったんで、「やったー、あと5つも金印有るんやー」って興味本位だけで読んだのが失敗やったかも。 2011/05/12
TheWho
14
京極夏彦の師匠的存在であり歴史主題が得意な著者が、志賀島で発見された「漢委奴国王」の金印の実像に迫る歴史ミステリー。物語は、主人公の恋人が、秋田男鹿半島の温泉宿で足利義満が明の成祖から贈られたと云われる失われた「日本国王之印」の金印を偶然発見した所から始まり、その金印の真偽の探求から、古来支那から贈られたと云われる金印の実像、そして国宝「漢委奴国王」の金印の真偽に迄展開する。とにかく各種文献の内容の羅列が難しく読み終える迄苦行の様だったが、古代遺物の驚愕な推論には興味深い一冊です。2017/11/18
Joao do Couto
4
ウンチク小説はきらいじゃないので、楽しめた。学者が作り出した虚構に日本中がのっかっているってのが面白いと思った。といっても、これらの文献をひとつもひも解いていないので、ほんとかウソかわからない。エンタメにそんなのは不要ですしね。2018/02/18
うぃるこうへい
4
京極夏彦のお師匠的存在ということで、読んでみた。 固い。硬い。堅い。笑 論文を会話調で書いてるだけっていう感じすらする。超アカデミック。確かにこの知識量というか、そんな文献どうやったら出会いますの?というような引用の嵐は凄い。 ただ、登場人物に余りにも魅力が無い。ヒロインは普通に腹立つし。西之園萌絵の失敗作のようなね。 ただ、オチは結構面白かった。こういう頭で世の中を生きられたら、楽しいでしょうね。鳥玄坊シリーズ、とりあえず一冊だけ読んでみます。2014/11/29
うたまる
3
「甚兵衛兄弟のことだけではないわ。金印は何から何まであやふやなのよ」……日本史上に現れた7つの金印(中国から下賜された4つ含む)についての歴史ミステリー。もう、ただただくっそ面白い。再読だから初読時に苦戦した史料も抵抗なく読めたし、主要キャラのうざさも気にならなかった。国宝『漢委奴国王印』は志賀島で発見されたのではない?現存する同印はすり替えられた偽物?教科書で習った歴史的事実が、説得力あるロジックにグラグラと揺らいでいく。知らなかったことを知る快感に勝るのは、知っていることを覆された時の快感だな。2018/07/08