内容説明
曾我佳城。若くして引退した美貌の奇術師。華麗なる舞台は今も奇術ファンの語り草である。もう一つの貌は名探偵。弾丸受止め術が自慢の奇術師がパートナーを撃ち殺してしまった。舞台に注目する観客の前で弾や銃を掏り替えた者は誰か。佳城は真相を見抜けるか?―など究極の奇術トリック満載の「秘の巻」。
著者等紹介
泡坂妻夫[アワサカツマオ]
1933年東京・神田鍛冶町生まれ。都立九段高校卒業後、家業の紋章上絵師の仕事につくが、マジシャンとしても活躍。’76年、処女作「DL2号機事件」が幻影城新人賞佳作。’78年に『乱れからくり』で日本推理作家協会賞、’90年に『蔭桔梗』で直木賞を受賞する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
77
奇術ミステリーなるものが存在するかどうかはわからないが、「2001年度このミステリーがすごい1位」というので読んだ。曽我佳城という若くして引退した美貌の奇術師が事件を解いていく短編集。この手の本が好きな人にはたまらないだろうが、正直私には物足りなかった。
papako
67
お気に入りさんのオススメで、曾我佳城短編集。これは面白かった。引退した美人奇術師の曾我佳城が謎を解く!奇術が関係していても不自然さがなく、すんなりと楽しめた。そして、この泡坂作品は短編が好みかも。テンポよく伏線が回収される手際が鮮やか。『空中朝顔』『七羽の銀鳩』『剣の舞』が特に好き。あ、でも全部面白かった。やはりもう一冊も読もう。2017/08/21
hanchyan@ふむ……いちりある
34
親本は持ち重りするので(笑)文庫で半分だけ再読。このミス1位になった当時は、”奇術”=“からくり”=”物理トリック”!と、実に大雑把な捉え方&見当違いな期待の仕方で(笑)、そういう観点からするとなんか微妙~とか思ってたなあ。浅い!浅いぞ十数年前の自分!(笑)。本書(「秘の巻」)所有作では「ジグザグ」なんかが印象深かったんだが、今回読んで、ミステリ的驚きは心理的盲点を就くことでこそ生まれる、「心理>物理」と改めて思いましたとさ。最も唸ったのは、佳城先生初登場作品「空中朝顔」。連城さんみたいなはなしだぞ。2017/07/28
coco夏ko10角
28
奇術探偵曾我佳城、秘の巻11の作品収録。曾我佳城さんなんだか魅力的。ミステリーは『花火と銃声』がよかった。『ジグザグ』はそれでいいの…?と思ったけど故に印象に残る。『虚像実像』最後の串目くん好き。2017/01/08
おうつき
27
奇術絡みの事件を引退した女性奇術師が解いていくミステリ短編集。どの短編も安定して面白く、奇術についての描写も泡坂妻夫ならではといった感じで楽しく読めた。冒頭の「空中朝顔」が切ない物語で惹き込まれたが、全体を通してみると異色な雰囲気。「消える銃弾」「七羽の銀鳩」辺りが特に良かった。2023/03/28
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