内容説明
小さな漁港のある町で、ならず者と街の有力者が連続して首を切られ殺された。二人の背後には共通点があるのか。それとも見境なく襲う異常者の仕業か。フェーテレン刑事部長は、乏しい手がかりを基に必死で追う。そこへ第三の事件が…。首切魔が次に狙ったのは?人の心の闇を暴く警察ミステリーの傑作。
著者等紹介
ネッセル,ホーカン[ネッセル,ホーカン][Nesser,Hakan]
1950年、スウェーデン生まれ。ウプサラで20年以上、中学校教師を務める。その後、作家活動を始め、1988年に小説『舞踏研究家』でデビュー。1993年にはミステリー『目の粗い網』でスウェーデン推理小説アカデミーの新人賞を受賞。以後“ファン・フェーテレン刑事部長シリーズ”が好評を博す。第二作目の『終止符』は、1994年の最優秀推理小説賞受賞
中村友子[ナカムラトモコ]
スウェーデンのストックホルム大学文学科卒業。スウェーデン語および英語の翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
120
刑事たちの間で交わされる会話が絶妙。本当に悪いヤツらと、彼らへの怒り。罪の罰し方。鬼畜の所業と、それを許さぬ怒りのエネルギー。その強さと、刑事たちの会話の静けさの違いが、この作品に独特の雰囲気を与えている。10作のシリーズなのなら、全部訳してくれたらいいのに。2018/09/18
鴨ミール
30
最後まで犯人はわからなかった。わかって驚いた。いま併読している本でもクスリの売人や、騙されて連れ出されクスリをうたれる少女が登場するが、外国ではそれは珍しくないことなのかと鬱々する。それまで未来に向かってまっさらで生きて来た少女たちが落ちていく様は哀しい。犯人が捕まっても刑事たちにも悲しみが広がる。2024/03/31
siva
5
「首切魔」を追う警察ミステリーだけれど・・緊迫感が全くない。もったいぶった文章と独白部分の変に癖のある表現にイライラ。作者の個性か・・と思ったけれども、あとがきにて訳者の文体だと判明。スウェーデンでは有名な人気シリーズらしいんだけれど、翻訳者がかわらない限りもう読まないだろうな。2014/05/16
きうりっち
4
スエーデンの作家なのに舞台はドイツ?と思ったら解説によると架空の土地らしい。残酷な手口の連続殺人が起こる。地元だけでなく応援の警官たちも集まってきて捜査に当たるが犯人の目処もつかず新たな殺人が起きる。時々さしはさまれる犯人の独白で、こういう動機なんだなあというのは見当がつくが,犯人はほぼ終幕近くでないと分からない。気の毒な話とは思うが、あまりすんなり飲み込めない。シリーズになっていて人気もあるというのに翻訳が少なすぎるな。2022/06/28
章魚 たこ
2
例によって?スウェーデンもの。 結末はともかく、なんとも優雅?な捜査に、小説ならでは?のものを感じるし、スウェーデンらしさ(といってもよくは知らない)も感じる。 2016/01/07