感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
43
素晴らしい!!!と感嘆符3つです。元保安官コーク・オコナ―2作目は前作以上の出来栄えです。いやはやノーマークでした。北部森林地帯へ娘を探して欲しいとコークに依頼してきたのは…ネタバレになりそうなので省略。カヌーに乗っての探索行は命がけとなってくる。少年の成長物語でもあり、いがみ合いながらも結束してゆく仲間に襲い掛かる追手。最後の最後まで手の込んだストーリーは圧巻でありました。残された家族の物語とも相まって次も早く読まねばと思っております。インディアンの古い物語も印象的です上手いわ~。2016/08/07
ほちょこ
29
シリーズ2作目にして、やっとこの地に引き込まれるようになった。先住民の自然に対する思いやしきたり、そういう重みのある行動が、ストーリーの中にしっかりと根付いていて、ミステリながらも感慨深いものが多くあった。主人公コークも妻もまた、家族との絆を戻そうとしてて、次作も楽しみ。2017/09/03
Yoko
20
前作よりミステリ色が濃い物語。これはもうハードボイルドというよりも父親たちの物語だな‥‥‥と。相変わらず主人公コークを取り巻く人々の心情も細やかに描かれ、その存在がとても身近に感じられる。失いかけていた家族との関係にも変化の兆しが見える。そして自然の美しさ、厳しさがこの作品でも体幹を成すのだが、要所要所で語られる先住民族の伝承神話がとても印象深い。何より亡くなった魂を葬送する様子を描いたエピローグは心に強く残る。「善良な者があとに残していくものは永久に滅びない」2015/05/25
慧の本箱
19
シリーズ2作目。1作目を2019年に手にして結構お気に入りだったのにすっかり忘れて今回目出度く読了。1作目の時、主人公コークにタバコを止めてもう少し身体を鍛えたらって言ったことが通じたのか(そんなわけないよネ)なにしろ今作ではタバコを止めてランニングして頑張ってたコークでした。先住民の神話が息づく土地での暴力と家族の絆が相まって読み手を飽きさせない。2023/10/28
Yoko
15
コークをはじめ登場人物それぞれが善人で、特別なヒーローでもなく、私たち誰もが思い当たる感情に揺れ動くその様子に、読み手はいつの間にか移入している。先住民らが語り継ぐ精霊の物語は示唆に富み、彼らの魂送りの儀式は死が全ての終わりではないことを教えてくれる。2019/03/06