内容説明
百人一首カルタのコレクターとして有名な、会社社長・真榊大陸が自宅で惨殺された。一枚の札を握りしめて…。関係者は皆アリバイがあり、事件は一見、不可能犯罪かと思われた。だが、博覧強記の薬剤師・桑原崇が百人一首に仕掛けられた謎を解いたとき、戦慄の真相が明らかに!?第9回メフィスト賞受賞作。
著者等紹介
高田崇史[タカダタカフミ]
昭和33年東京都生まれ。明治薬科大学卒。『QED―百人一首の呪』で第9回メフィスト賞受賞
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感想・レビュー
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W-G
409
あまり興味を持てずに手に取ることのなかったシリーズ。ここにきて急に、無性に読みたくなった。メフィスト賞作品らしい異様な熱量のこもった作品で、その熱量が申し訳程度にミステリの皮を被って体裁を整えているが、百人一首の考証と殺人事件が有機的融合を果たすことはなく、それぞれが並走したまま、たまに連結箇所があるかな?くらいの関連性なのもいかにもメフィスト。大陸の子供や秘書の住まいに関する謎はない方が良かった。アレのせいで事件の全容を百人一首でまとめきれずに散漫になってしまっただけな気がする。2021/09/06
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
134
読んだ印象をひと言で言うと、"百人一首新説披露 ドキッ殺人もあるよ♪"って感じかな( * ॑˘ ॑* )殺人事件のあまりのついで感が面白いです。 百人一首は中学の頃大会があって、友だちと半分こして暗記頑張った懐かしい思い出。和歌の良しあしは分かりませんが、夏来にけらし、とかしのぶもぢずり、とかからくれないに水くくるとは、とかとにかくことばの美しい響きにうっとり。唱えてある新説は正直納得!とまでは行かなかったけれど、百人一首をお正月にやること自体が神事だったのでは、という説はとても好きです。続編も楽しみ♡2020/12/22
nobby
106
以前より気になっていたシリーズ。古文は大嫌いで百人一首もほぼ覚えていない、日本史は好きな自分は楽しめた(笑)古文要素へのこまめな解説と文化史で覚えた人名の登場が嬉しい。それにしても百人一首にそんな謎解き要素があったとは!?殺人事件解明を借りて歴史解釈に重きを置いた手法に惹かれた。さすがシリーズ物だけあってキャラの個性も十分。重い作品の合間にアクセントとして読んでいくと丁度よい感じ。2014/04/02
chantal(シャンタール)
101
【愛のQED】小学生の頃から百人一首が大好きで、学校での百人一首大会もいつもブッチギリで優勝していた私。定家の暗号説なども昔から語られており、歴史ミステリー系の物が大好きな私にとってはとにかく面白かった!殺人事件は置いといて、百人一首!前から似たような言葉が多いなあとか、西行のもっといい歌あるのに、等と思っていたが、そうか、こんな壮大な仕組みがあったとは!もし自分でこんな仕組みに気づいてしまったら、どれだけ興奮する事か!作家の高田さんは京極先生のファンだそうだが、そうだろうともさと言う作風。続きが楽しみ!2020/11/26
いおむ
87
百人一首の謎解きは「こういう見方もあるのか!」と思せてくれるところは面白い。2015/05/24