内容説明
日本政治の失われた十年。その原因は秀れたナンバー2の不在だ。剥出しの権力欲が激突する自民党内で、無念にも仆れた者、あえて補佐役に徹して身を全うした者…。彼らが「戦後」を動かした。保守合同の立役者、緒方竹虎、三木武吉、大野伴睦から平成の小沢一郎、加藤紘一まで三十人の列伝。
目次
第1章 優柔不断は自滅の道(前尾繁三郎;藤山愛一郎 ほか)
第2章 「勘定」と「感情」のあいだ(橋本登美三郎;椎名悦三郎 ほか)
第3章 「策士」の末路は…(松野頼三;保利茂 ほか)
第4章 最後は「品格」がものをいう(大野伴睦;広川弘禅 ほか)
第5章 過信と慢心(小沢一郎;三塚博 ほか)
第6章 ライバルが強すぎれば…(三木武吉;桜内義雄 ほか)
第7章 やっぱり「健康第一」(緒方竹虎;河野一郎 ほか)
第8章 「勝負時」を見誤って…(後藤田正晴;河本敏夫 ほか)
著者等紹介
浅川博忠[アサカワヒロタダ]
1942年東京都生まれ。慶応大学商学部卒業。(社)時事問題研究所常務理事などを経て、政治評論家に。東北福祉大学客員教授
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感想・レビュー
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はむズ
4
中曽根康弘氏が新人議員に伝えた言葉に納得。 いいか、政治家にとって一番大切なのは絶えず、その場に着席していることだ。 (中略)、党での各部会への出席率も示すのだ。 これらの席を一寸離れている瞬間に、誰か別の者が我がもの顔でチャッカリと座ってしまうのが政界の常なのだ。 いわんや、重要場面で席を離れるのは、満員電車の中でそれをするのと同じで、二度と着席できない結果に通じる。この事実をしっかりと覚えておいて欲しい……2018/01/23
なりを
1
ナンバー2という立ち位置は自身は嫌いではないのだが、やはり代議士になるとそこに甘んじることを良しとはしないもので、忸怩たる思いで政界から去っていったっていうことがいずれの人物にも書かれていたのが印象に残った。2020/01/18
kinupon
1
ナンバー2ではいけないんですか?2012/06/19
代理
0
長所と短所は紙一重。人柄で立場作ったものは、その人柄ゆえに頂点を逃す。「勝負を仕掛けるのが半年遅くて、半年早い」という加藤紘一評が味わう深い2021/06/01