内容説明
薩摩島津家の秘事を暴くため、将軍隠密として西国へ下った柳生十兵衛。柳生新陰流の極意を掴まんとする十兵衛を、示現流開祖・東郷重位率いる精鋭百人組が迎え撃つ。いつ果てるとも知れぬ闘いのなか、剣豪・柳生十兵衛が見えない隻眼で見据えていた双つの世界とは。新たなる十兵衛伝説を刻む傑作長編時代小説。
著者等紹介
多田容子[タダヨウコ]
1971年香川県生まれ。京都大学経済学部在学中から時代小説を書き始め、時代小説大賞で第7回から第9回まで連続最終候補となる。第8回の応募作に大幅に手を加えた『双眼』で’99年作家デビュー。実際の武芸にも励んでおり、柳生新陰流剣術、居合道のほか手裏剣も打つ
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
18
薩摩島津家の秘事を暴くため、将軍隠密として西国へ下った柳生十兵衛。柳生新陰流の極意を掴まんとする十兵衛を、示現流開祖・東郷重位率いる精鋭百人組が迎え撃つ。いつ果てるとも知れぬ闘いのなか、剣豪・柳生十兵衛が見えない隻眼で見据えていた双つの世界とは。新たなる十兵衛伝説を刻む傑作長編時代小説。 2003/04/04
岡本匠
14
多田容子は2冊目。 中々の書き手だと思うけれど、登録者が少ないな。 いわゆる剣豪小説になるのかな。柳生十兵衛が主人公となっている。十兵衛がどの様に技を体得したかに主眼が置かれており斬新。面白かった。2016/04/07
もかすけ
1
柳生十兵衛といえば千葉真一。ちょっとイメージが違うなぁ。作者の多田さんは柳生新陰流初伝というからすごい。その経験と知識と想像がこの本に表れていると思う。2019/12/09
よっちゃん
1
柳生十兵衛が幕藩体制確立のため西国の大藩をいじめるお話。隻眼の使い手が活躍するのに「双眼」とは……禁ネタバレ。本物の女流剣士の作です。十兵衛はスーパーマンではなく、ハードボイルドでもなく、真摯な求道の兵法者として描いています。作者自身きっと柳生新陰流奥義を手にしようと研鑽を積んでいてこの小説の主人公と一体になっているのではないかと思われるぐらい俗人ではわからない武道哲学を披露されています。十兵衛と、くの一の濡れ場はこちらが恥ずかしくなるほど作者自身がコチコチになっている感じがしました。 2003/08/01
goro@the_booby
1
新たな十兵衛隻眼解釈!2009/11/29