内容説明
「偉大な進歩と発展」を遂げたはずの百年は、はたして一人ひとりの人生を幸福にしたのか?あふれるモノとすさみゆく心。繁栄から始まる衰退。人類の歴史上、もっとも激しく揺れ動いた時代の負の遺産にどう向きあうか?新世紀の劈頭、9・11以降、茫然と立ちすくむ私たちに指針を示す、碩学八人との対話。
目次
科学の世紀と「たましい」(河合隼雄)
私のいのちは私のもの(星野一正)
「知の組みかえ」の時代(中村雄二郎)
「五つの終わり」のあとに(高坂正堯)
民族・宗教・文化の「脱異境」へ(横山紘一)
能力主義からデモクラシーへ(伊東光晴)
第三世界文学登場で真の世界文学へ(加賀乙彦)
「安全」こそ科学技術の中心課題(村上陽一郎)
子どもの危機からの警鐘(河合隼雄)
著者等紹介
柳田邦男[ヤナギダクニオ]
1936年栃木県生まれ。NHK記者を経てノンフィクション作家に。1972年『マッハの恐怖』で第3回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。1979年『ガン回廊の朝』で第1回講談社ノンフィクション賞受賞。1995年『犠牲わが息子・脳死の11日』とノンフィクション・ジャンルの確立への貢献で第43回菊池寛賞受賞
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感想・レビュー
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sagatak
5
タイトルで期待して読んだ。柳田邦男と複数の知識人との対談。なるほどそうだと思うことは確かに多いが、前に言ったことと微妙に矛盾しないかということもままある。それはごもっとも、そうなれば世の中良くなるよねと思うことは書いてあるが、実際にはならない。現実的に理想に近づくにはどうすればいいかという方法論は誰も示さない。いや突き詰めれば示せないのかも。学者さん、知識人の理論からは抜け出てはいないと思った。2014/04/16
しんしん
0
私のいのちは私のもの、での、いずれ患者になるであろう自分や家族を想像すると、患者の立場から医療を見直してほしいし、医療の可能性を試す実験台にされるのは嫌だし、患者自身の尊厳を優先する事がその人の幸福に重要だと強く思った。 QOLをないがしろにしての生は望まないし、幸福ではない… 2021/03/25
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