内容説明
「俺はただオーストラリアを旅したかっただけなんだ。アメリカでの二流新聞社の仕事にも嫌気がさしていたし。そこへ現れたのがあの娘だ。無防備な彼女と旅をしたら、誰だってちょっかいを出したくなるさ。でも引き際を誤った。まさかそれがあんな悪夢を呼ぶなんて!」欲望が恐怖へと誘うリアル・サスペンス。
著者等紹介
ケネディ,ダグラス[ケネディ,ダグラス][Kennedy,Douglas]
1955年、ニューヨークに生まれる。トラベル・ライターを経て作家に。処女小説である本作は映画化された(邦題『ウープ・ウープ』)。二作めの『ビッグ・ピクチャー(原題:The Big Picture)』(新潮文庫)も巨額の契約金で出版・映画化が決まり、英米の出版業界の話題となる。’99年日本で出版された『仕事くれ。』(新潮文庫)も好評をよぶ。現在は妻子とともにロンドン在住
玉木亨[タマキトオル]
1962年、東京に生まれる。慶応大学経済学部卒業。出版社勤務を経て翻訳家として独立
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かきたにたくま
3
食ったつもりが食われた話。下半身のだらしなさが招いた不幸が突拍子もなくて笑えるB級テイスト満載で面白い。2018/05/01
🅼🆈½ ユニス™
3
過ぎ去った日々を振り返るとどれだけの時間を無意味に消耗したことか。自分の同年輩は安定構築の為、一生懸命生きていたのに俺は何をしたのか悔いしかない今が哀しい。意味のない日常に囲われて今の時間にも底知れない価値がある事に気付いて覚醒しなければならない。ダグラスケネディはモラル的に汚点が無く見習えるような人物を主人公にしない。欠点が多く隙だらけの人物が不幸から逃れようと労力する姿に同質感を感じるのも彼の作品を味わう妙味ではないかと思う。★★★☆☆2017/11/23
ななべぇ
2
全然期待しないでなんとなく読み始めたけど、いー!主人公の秀逸な悪口笑、見せ物小屋にいそうな女、人間をだらしなくさせてしまう類いの町、ベッドの上の塊(アンジー)。薄い知識の私の中のオーストラリアはなかなか素晴らしい人達がいる素晴らしい国。そんな幻想に冷や水ぶっかけ!土地じたいは畏怖を感じさせること書いてるけど、人がクズばっかでウケた。とくに素晴らしい人ランク上位にいそうな、原住民ぽい人らを粗暴でバカで狂った感じで描くのと、予想の斜め上いくストーリーなのが、お気に入り。ダディの帝国の崩壊を見て笑いたかったな。2022/07/16
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
1
2003年5月21日
鉄髭
1
「世の中にはこんなアイデアを思いつき、それで本を書いてしまう人がいる」という意味で、D・E・ウェストレイクの「斧」を読んだ時以来の感動をした。2008/12/15