出版社内容情報
両親を亡くしている『僕』は、幽霊に会える噂がある高校へ進学した。部活の先輩に恋をするも、彼女には幼馴染の彼氏が。でも、彼氏は事故で亡くなり…? 七不思議にまつわる切ない青春ストーリー。
長谷川 夕[ハセガワユウ]
著・文・その他
慧子[ケイコ]
イラスト
内容説明
五歳で両親を亡くした『僕』は、幽霊に会えると噂の高校へ進学した。そこで同じ部の綾乃先輩に恋をするも、彼女にはイケメンな同級生の彼氏がいた。でも、彼は不慮の事故で亡くなり…?話す骨格標本、プールで泳ぐ女生徒の足を引っ張る『田中さん』、人魚が棲む桜の池、時が止まる階段室、自習室に響く泣き声―とある高校の七不思議にまつわる、痛くて切ない青春物語。
著者等紹介
長谷川夕[ハセガワユウ]
『亡霊』で2015年度ノベル大賞、準大賞受賞。受賞作を改題、改稿した『僕は君を殺せない』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kazuko Ohta
29
飲酒しながら読み、たいして怖くもないはずが、プールで足をひっぱられるとか、冷めるとそれなりに怖い。切ない怪談を期待して読みはじめたのに、最終章にたどり着くまでは切ないというよりも虚しい印象。それが最後にがらりと変わる。私が勤めているのは学校ではないけれど、それなりに怪談の要素がある職場ゆえに取材を受け、怖くもなんともなかった自分の体験談が、本に書かれると立派な怪談になっていて苦笑したことがあります。スリッパを捨てたら、私の休みの日にペタペタとそこを走る音が聞こえていたとか(笑)。怪談はこうしてつくられる。2019/05/14
よっち
29
五歳で両親を亡くしたことから幽霊に会えると噂の高校へ進学した高戸。そこで同じ部の綾乃先輩に出会い恋をしたことから運命が変わってゆく、とある高校の七不思議にまつわる青春小説。両親に会いたいがゆえにその高校に入学した彼が、幼馴染の彼氏を亡くした綾乃先輩に寄り添ううちに抱くようになる切なる願い。話す骨格標本、プールの田中さんといった七不思議に絡めて描かれるもうひとつの切ない物語があって、展開的にやや分かりづらい部分もありましたが、絶望的な状況の中でも光明を見出そうとする最後の約束にはぐっと来るものがありました。2018/09/26
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
24
不思議な空気の話だった。同じ学校を舞台にして、七不思議を一つ一つ小話にしてある。個人的には、一話目の『まぼろしのひと』から「わお!結構痛いな!」と思い、それがのちの『聲』とパラレルワールドになってるのが面白かった。あと『僕の休憩』も、何が真実だったのか余韻を残す感じがモヤッとしながらもなかなか面白かったり。ライトだ読みやすかった。2018/09/09
HANA
11
高校の七不思議話。それぞれの不思議な話も面白いけれど最後にしっかりまとめてくれて凄く綺麗な終わり方。ホラーというよりは青春ものといった感じ。面白かった。2018/10/25
華形 満
8
出張先で読中本を読了してしまい、急遽、立ち寄った書店頭で手にした一冊だったが、う~ん、完全に私の趣向違いだった。7不思議という7編全ていまひとつピンと来なかったのだが、それでも唯一「僕の休憩」だけは他編と一線を隔す、幼少期に無理心中に巻き込まれた主人公がテーマの全体的に実にグレーでネガティブな雰囲気蔓延な内容で、これだけ面白く読めたという皮肉な作品。2018/10/31