出版社内容情報
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
著・文・その他
内容説明
巨悪・白子屋菊右衛門は倒したが、いまだ残党に狙われる梅安。彦次郎と小杉十五郎は、鍼医師として人助けに励む彼を陰で支えていた。しかし復讐者たちは、意表をついた方法で梅安に襲いかかってきた。なじみの料理屋「井筒」のおもんとの愛もじっくりと描かれる、仕掛人・藤枝梅安シリーズ、円熟の長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
154
梅安シリーズもあと1冊を残すのみとなりました。今回も前回から引き続いての長編で、白子屋本人を殺したものの、部下などはまだ健在で狙われることになります。そこにクスリ問屋の話などが絡んで結構大変な状況になるのですが今回は小杉さんが余り活躍しないのですね。もう少し長く続けてほしかった。これを読んだら剣客商売の再読ですかね。2017/07/18
KAZOO
104
この第六作も長編で、大阪の元締めの白子屋を返り討ちにしたものの、その残党がまだ残っていて梅安を狙います。その「三人の仕掛人」というのがかなり手練れの殺し屋ですが、彦次郎や小杉の助けで何とか危機を乗り切ります。そのうちの一人はどうやらまた大阪に逃げ帰ります。次の7作目で最終回ですが、作者はどのように決着をつけたいと思ったのでしょうね。2023/12/15
saga
54
【古書】大坂暗黒街の大物・白子屋菊右衛門を殺ってからの梅安は、次々に襲ってくる刺客に煩わされることになった。熱海温泉でほとぼりを冷ましていた梅安だが、薬種屋・片山清助の治療のため江戸に舞い戻ることに。ここから、著者お得意の、二つの事件が一つになる展開。白子屋が送り込んだ刺客は、腕は立つが一匹狼を気取る間抜けな奴ら……というのも痛快娯楽時代小説として楽しめた。2020/08/09
優希
53
長編になります。意表をつく方法で梅安に襲いかかる復讐者たち。梅安は実力のみならず、運も見方につけてしまうようですが、影で支えがあるように思えてなりません。梅安は仕掛け人でありつつ、完全な悪ではないのですね。2023/04/26
くろにゃんこ
40
梅安を狙う人があちこちにいて、もはや仕掛け人としての仕事どころではない感じ。もう安心して暮らすことはできない宿命なのだろうか(-_-;)スパイのように潜入していたおしまの冷徹なまでの強さ…と思っていたら涙している姿に切なくなった。2023/06/30