内容説明
闇討ちにあって瀕死の重傷を負った若侍を助けた梅安。若侍は、命こそ取り留めたが記憶を失っていた。そんな時依頼された仕掛けは、二度と請け負いたくない女殺し。だが若侍と仕掛けの間には、深い関わりがあるようだった。仕掛人の抱える闇と凄み、その中で息づく人間味を描きだす、梅安シリーズ初の長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
149
これははじめての長編です。若い侍を助けるものの記憶が戻らずに最後までなぞが引きずられます。その間に、女殺しを破格な金額で頼まれたり、小杉を巡っての大阪の白子屋という裏の世界の大物から命を狙われることになったりでなぞも絡み合ってきます。助けた若侍や殺す女が結びついてきたりして・・・・・・。いつもどおり楽しめました。2017/07/12
KAZOO
100
何度目かの再読ですが、いつも楽しませてくれます。これは長編物で、意識を失った若侍を助けたことから話が始まり、かなりの大金で女殺しを依頼されたり、さらには大阪の殺しの依頼を断ったりしたりすることでの主人公たちが狙われたりと場面が目まぐるしく動きます。最後は糸のもつれがほどけるような感じで決着します。まだまだこの後を引く事件が起きるのでしょう。2023/12/06
ひらちゃん
61
今回はお家騒動の長編でした。相変わらずの三人に、香具師のゴタゴタから魔の手も迫る。こうなると江戸に住まいを構えるのは大変じゃないのかな。最後の仕掛けは梅安の心意気でしょうね。熱い男たち。楽しませてくれました。2018/10/28
優希
49
長編でした。仕掛け人の抱える闇、息づく人情。仕掛け人として生きる苦しさを感じました。2023/04/20
GaGa
48
シリーズ初長編。ただ、短編の時よりも読みやすい気がした。瀕死の重傷を負った謎の若侍を梅安が救うというプロットと、江戸に戻った十五郎を梅安がかばったことから狙われるというプロットが絡み合うサスペンス。ただ、恐ろしく強い敵が随分とあっけないことには拍子抜け。このシリーズは短編でずしりと重い作風の方が合うのかも知れない。2011/02/16