内容説明
行きつけの料亭「井筒」で梅安は、十年前、自分の命を救ってくれた浪人を見かけた。梅安に頼まれて後をつけた彦次郎は浪人が悪辣な辻斬りであることを知る。命の恩人の正体に苦悩する梅安だが、度重なる悪行に殺しの覚悟を決める。壮絶な死闘と人情の機微を余すところなく描き出す、梅安シリーズ第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
143
ここには6つの短編が収められています。過去のしがらみなどからの殺しを逡巡する相手もいますが、それでも非情になって。彦次郎や小杉とのやり取りなどもありますが、自宅に来るおばあさんとのやり取りが楽しいですね。鬼平犯科帳のおばあさんも思い出してしまいます。2017/07/11
KAZOO
102
シリーズ3作目では、殺しを二つのところから頼まれたり、昔梅安を助けてくれた人物を殺さなければならなくなったりします。また女を殺しにかけるのは気が重い梅安ですが、自分の境遇とおなじことをした女は許せないようです。さらに大阪にいた小杉十五郎が戻ってきて、殺しをしなければならない状況になったりします。今後も波乱があるような感じです。2023/11/30
R
70
小杉さんをなんとか堅気に戻そうと画策するけども、どんどん仕掛け人の道に入ってきてしまうというお話数編。随所に、梅安が抱える闇ともいえる女性への嫌悪が見えるのが怖いのだが、それがゆえに煩悶する話しが面白い。彦さんも梅安先生も死を身近というか、どこか憧れに似たものとして心に飼ってるような切なさがあってとてもよい。それがまた、お互いに通じ合うという絆が、友情とも異なるものでかっこいいな。2023/07/28
ひらちゃん
59
仕掛けにも大義名分があり、どうしたって生かしちゃおけないやつしか殺らねえ。梅安と彦さんの息もぴったりで鮮やか。だが、段々と難しい仕掛けや、銭でない働きも増えてきた。過去と向き合い、小杉十五郎の心配までして忙しい。身体がもつかな、と心配。2018/10/20
優希
48
梅安の苦悩するのですね。でも結局悪行に殺しの覚悟を決めるのが格好良かったです。騒然な死闘と人情を描ききっていると思いました。2023/04/20
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