講談社+α新書<br> 地名に隠された「東京津波」

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講談社+α新書
地名に隠された「東京津波」

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062727457
  • NDC分類 453.4
  • Cコード C0295

出版社内容情報

地名は警告する!もし地震大雨で津波が川を逆流して氾濫したら、東京の下町は壊滅? 古地図から明らかになる東京の水の危険度。◇東日本大震災により、東京湾でも船橋に2.4mの津波が襲い、浦安は大規模に液状化した。東京にもっと大規模な地震や津波がおそったらという想定は、ありえないものではない。この機に地名研究家である著者は、東京の高低を記した古地図を入手。そこで改めて、東京が起伏の多い地形であり、いまそれが高層ビルの乱立や地下鉄による移動などで見えづらくなっていること、また、山の手と下町で「山」「丘」「台」、「川」「橋」「江」など地形や水に関する地名が多いことなどを確認した。
◇そこで本書では、東京の古地図をじっくり見て、著者の地名についての蘊蓄も傾け、各地域の高低差や土地利用などから、もし地震や津波がおそったときに危険な場所、安全な場所を指摘しようとする。
◇たとえば「水に関わる地名の場所は、危険度が高い」。渋谷、千駄ケ谷や日比谷は谷、深川も品川も小石川も川。浅草は浅い草が生えた湿地で、早稲田は田んぼ。飯田橋、水道橋みな低地。池袋はいま高地にあるが、もとは低地の地名。代官山や戸山は高地で、より安全。また古地図からみると、もともと海、砂地、河川敷、新田だったところで液状化が起こっている。
◇さらに、本書は、江戸・東京の立地や過去の震災の歴史から、東京が震災に耐えてきたものの、「砂上の楼閣」であることも改めて指摘する。
◇東京の高低図に照らして地名を探りながら、東京の地形と地名の安全度、危険度、震災への心構えを、読者に「立体的に」また「蘊蓄をもとに」気づかせようというのが、本書のねらいである。

第1章 東京湾を巨大津波が襲ったら……
第2章 土地の高低感を忘れた東京人
第3章 東京の低地地名からのメッセージ
第4章 東京都心部の危険地名からのメッセージ
第5章 東京の谷底地名からのメッセージ
第6章 安全な町はどこだ?
第7章 東京は生き残れるか


谷川 彰英[タニカワ アキヒデ]
著・文・その他

目次

第1章 東京湾を巨大津波が襲ったら
第2章 土地の高低感を忘れた東京人
第3章 東京の低地地名からのメッセージ
第4章 東京都心部の危険地名からのメッセージ
第5章 東京の谷底地名からのメッセージ
第6章 安全な町はどこだ?
第7章 東京は生き残れるか

著者等紹介

谷川彰英[タニカワアキヒデ]
1945年、長野県松本市に生まれる。松本深志高校を経て東京教育大学(現筑波大学)教育学部に進学。同大学院教育学研究科博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、定年退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。学問の壁を超えた自由な発想で地名論を展開。テレビ・ラジオなどでも活躍。筑波大学名誉教授。エンジン01文化戦略会議幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

57
書名から期待した満足感は得られなかった。それは津波にまつわる地名が都内に存在するというものではなかったからだ。東京の水にまつわる地名は、区画整理や住居表示の合理化で失われているものが多そうだが、そのあたりの言及も少ない。本書で紹介された深川の波除碑も、津波ではなく高潮の痕跡を示すもの。東日本大震災直後に執筆されたため、東京都の津波対策はおそらく端緒についたばかりだったろう。波高10mの津波想定は有りだ。埋立地、海抜0m地帯、そして地下鉄の津波への備えと、その限界を知ることは無駄ではない。2020/09/25

Kentaro

25
日本には、山、川、島、池、森、林、石など、自然の地形を示す地名が圧倒的に多い。そこに人が住むようになり、村、田、橋、船などの地名が成立していく。 東京は、地名で地形がわかってしまう。山の手には山とか岡という地名があるし、下町には、橋や川という地名が多い。その二つを結んでいるのが坂になる。まず、下町の海抜ゼロメートル地帯は津波に襲われる確率は高い。海抜三メートル以下の地域も危険である。注目すべきは、坂のある地点である。東京では名前のついている坂だけで、1000個もある。坂の下の部分の海抜も気になるところだ。2019/08/03

よこしま

23
タイトルの半分は津波になっていますが、地名を中心に他の災害含めてレビューを書きたいと思います。◆広島市土砂災害◆まずはお亡くなりになった方、ご家族が犠牲になった方、ご冥福をお祈りいたします。この災害は他人事ではありません。気になることが一つ分かりました。被害にあった地区の一つが八木3丁目だったのですが、古い地名が【八木蛇落地悪谷】という危険をさす地名だったんです。東海豪雨の時も特に酷い地域は希望が丘と変更されてました。危険性を省みず、経済優先で習わしを消した行政に問題があります。古地図は大事ですね。2014/08/27

LaVieHeart

13
東日本大震災を受けて、巨大津波が東京を襲ったとしたら危険となる地域を地名から紐解いた啓蒙本。 関東平野は広い。関東平野の北の端には、謙信様が越山して関東平野の広さに驚いたという曰くの「謙信平」という場所がある。300m程の太平山の中腹の謙信平から見た関東平野には、筑波山位しか山と感じるものはない。況やその河口に位置する東京をや、といったところか。確かに都内では坂が多い割に高低差を意識する事は殆どないので、地名等から元々の地形を想定する事は大切だと感じた。「一口」と書いて「いもあらい」。。。地名って不思議。2025/01/13

mimm

12
「もし東京に10mの津波が押し寄せたら、東京はどこまで沈むか?」その仮定に拠ったシミュレーションを試みた一冊。関東大震災後の大正時代に刊行された「東京市高低図」を使用して、その土地の持つ名称を絡めながら警鐘を鳴らす。一部地名の解釈が強引じゃない?と思う面もあるけれど、大きく見て危険を理解し、安全対策を計ることが大切だと思いました。水に弱い東京。天災の下、たくさんの危険を孕む場所に、避けるわけでなくどう楽しむか考えつつ、純粋に古地図の楽しさも知った一冊です。2012/05/26

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