内容説明
欧米にもKYはあるか、日本人と欧米人の目に映る光景はまったく別物!?人がみな同じ現実を見ているとは限らない。文化によって物事の見え方が違う、驚きの大発見。文化心理学が明らかにした心と文化の不思議な関係。
目次
はじめに―こころと文化の切っても切れない関係
第1章 こころここにあらざれば視れども見えず
第2章 欲しいものはなぜ大きく見えるのか
第3章 文化によって異なる注意力
第4章 アートに見る東西の文化差
第5章 情報量と文化差
第6章 自分中心視点と第三者視点
第7章 多文化主義の光と影
第8章 文化心理学からわかる真理
おわりに―同じ現象でも文化によって見え方が違う
著者等紹介
増田貴彦[マスダタカヒコ]
1970年、東京都に生まれる。アルバータ大学心理学部助教授。心理学博士。1993年、北海道大学文学部行動科学科(社会心理学)卒業。1996年、京都大学大学院人間・環境学研究科(社会心理学)修了。2003年、ミシガン大学心理学部(社会心理学・文化と認知研究課程)で博士号を取得。ミシガン大学学生インストラクター、札幌大学女子短期大学部非常勤講師などを歴任。2010年、日本心理学会国際賞・奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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出世八五郎
18
文化心理学について書かれた本であり、題名が軽く感じるが中身は充実している。人間が見ている世界は各々違うが、それを所属文化で説明している。つまり、西洋心理学には限界があり新たに文化心理学で人間を解明する必要があるとか。考え方、絵画、ポスター、ウェブデザインなどなどの作り方の癖や特徴などが、培われ積み重ねられてきた各々の所属する文化から無意識に影響を受けていることが判明する。問題は今後増える多文化主義だが其は未来の話。西洋=分析的思考様式、東洋=包括的思考様式。西洋=相互独立的自己観、東洋=相互協調的自己観。2017/02/01
mazda
17
欧米の人は目に入るものの「中心」を見がちで、東洋人は目に入るものの「全体」を見がち、ということが基本的なお話です。タイトルにつられましたが、必ずしもそういった内容ではなかったと思います。比較実験をたくさん行っており、半ば心理学っぽく読めるので、興味がある人ははまると思います。2018/08/23
ふろんた2.0
16
★★★★タイトルだとビジネスにおける人間関係のあり方を説く本のように思えるが、中身は心理学に近い。物事の中心を捉える欧米人と全体を捉える日本人の違いについて述べています。この解釈で言うとスポーツで、遠征や移籍でスタジアムやコートが変われば全体の景色も変わるのだが、日本人はその変化の影響を受けやすく、欧米人よりパフォーマンスが低下しがちになるのかな。2018/07/26
yasukotta
3
とてもおもしろかったです。欧米の人たちと日本を含む東アジア系の人たちは思考や認識が異なることを示す文化心理学的実験が紹介され、両者の違いが一貫して述べられています。ところで本書を読んでいると、今井むつみ著『ことばと思考』で紹介されている「踏切を渡る」と「テニスコートを横切る」に関する実験が思い出されます。『ことばと思考』の実験結果はことばに起因することが述べられていますが、本書を読むとそれはことばに起因するのではなく文化に起因するもののように思えます。その点が気になりました。2019/12/24
レオンハルト=フリードリヒ=ソートイ
3
タイトルや表紙はビジネスに役立つ新書のようだが、内容は学術的な東西文化比較論文だった。 表紙詐欺である。 内容はあるが、表現は回りくどい2013/07/03