講談社+α新書
日本の「食」は安すぎる―「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062724906
  • NDC分類 611.3
  • Cコード C0295

出版社内容情報

タブーを犯さなければ生産者は生きていけない
安さだけの追究が、食品偽装を引き起こす
本物には、必要な「適正価格」がある。買い支えよう!日本の素晴らしい食を!!

安い食を求め続けるということは、身近な日本国内の生産者・製造業者を生活できない状況に追い込んでいくということでもあるのだ。本書で言いたいことはひとつだ。それは「日本の食品価格は安すぎる」ということである。最近、マーケティング業界の集まりなどでも、「農業などの第一次産業を復興させるためには、価格を少なくとも1.5倍、できれば2倍くらいに上げなければ無理でしょう」という話をする。聴衆が期待しているのは、「様々な工夫によって、良質なものを低価格で提供できるビジネスモデルが成り立つんですよ」といった話なのはわかっている。けれども、そんなムシのいい話は、そもそもどこにも存在しない。新鮮で、安全で、美味しい食品は、高くて当たり前のものなのだ。

●食品偽装は消費者にも責任アリ?
●モノを作る人の顔が見えていない
●「本物」に必要な適正価格とは
●1本200円以下の地鶏は疑うべき
●化学調味料入りの方が売れる!?
●こだわりの豆腐は1丁300円!
●市場から消えつつある伝統野菜
●「卵は物価の優等生」の裏側
●共感できる商品を「買い支える」
●安全のコストは誰が払うのか?

山本 謙治[ヤマモト ケンジ]
著・文・その他

内容説明

安さだけの追求が、食品偽装を引き起こす。タブーを犯さなければ生産者は生きていけない。食品偽装の根源に迫る。本物には、必要な「適正価格」がある。買い支えよう、日本の素晴らしい食を。

目次

第1章 安すぎる「食」が偽装を引き起こす(「意図的に引き起こされた」事件;「消費者にも問題がある」という発言 ほか)
第2章 「本物」に必要な適正価格(日本の漬物は安すぎる;日本の豆腐は安すぎる ほか)
第3章 「庶民の味方」はいつまで続く?(日本の牛肉は安すぎる;日本の豚肉は安すぎる ほか)
第4章 「地元率」という大切なファクター(日本のラーメンは安すぎる;日本のハンバーガーは安すぎる ほか)
第5章 消費者の行動が日本の「食」を支える(購買という「権力」を正しく行使する;「こういう商品はないの?」と声を上げよう ほか)

著者等紹介

山本謙治[ヤマモトケンジ]
1971年、愛媛県に生まれ、埼玉県で育つ。1992年、慶應義塾大学環境情報学部在学中に、畑サークル「八百藤」設立。キャンパス内外で野菜を栽培する。同大学院修士課程修了後、(株)野村総合研究所、青果流通の(株)シフラを経て、2005年、(株)グッドテーブルズ設立。農産物流通コンサルタントとして活躍中。本業の傍ら、ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記」を書き続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

106
消費者は弱者から強者になっていないか…本書は指摘しています。本物の豆腐、納豆、地鶏とは…。風味のない野菜、添加物だらけのハム。肉、卵、牛乳も安すぎる!「低価格、鮮度、安全性」全てを求めることはできないのに、全てを求めていませんか?…深く考えさせられます。良いものなら多少高くても買うのか、より安いものを求めるのか。これは安全なのか、私はこれを食べていいのかと考えることを提案しています。この悪循環をどうにかできないのでしょうか…。生産者、開発者、発明者が救われないと、日本の歪みは治りません。生産者に感謝の念。2019/02/25

さきん

14
安い食を求め続けるということは、身近な生産者・製造業者を生活できない状況に追い込んでいく。日本の食品価格は安すぎる。集まりなどでも、「農業などの第一次産業を復興させるためには、価格を少なくとも1.5倍、できれば2倍くらいに上げなければ無理でしょう」という話をする。聴衆が期待しているのは、「様々な工夫によって、良質なものを低価格で提供できるビジネスモデルが成り立つ」といった話なのはわかっている。しかし、そんなムシのいい話は、どこにも存在しない。新鮮で、安全で、美味しい食品は、高くて当たり前のものなのだ。2016/02/15

印度 洋一郎

8
「お客様は神様です」も度を過ぎると食糧生産者を追いつめてしまう、というのが著者の主張。確かに安過ぎる「ハンバーグ」や「ステーキ」など、ちょっと考えれば「?」な食べ物は多い。生産者が暮らしていけるような価格の食べ物を選んで買おう、という主張は尤もだと思うが、この本で紹介されているような高品質の食べ物ばかりでは家計破綻する人だって、今の世の中多いはず。生産者と消費者が折り合える「適正価格」をどう決めていくかが大問題ではなかろうか。只、当節はコスパに執着する人が多いので、安値圧力を転換するのは容易ではないだろう2014/01/25

まさる

7
10年以上前に書かれた本。目次に目を通し、最初と最後の部分を読んだ。なぜ安いのか?その根本の部分を考えない限り、この問題は解決しないのだろう。KY(価格安く)で大々的に宣伝してきた小売店があるが、それは生産者や運送業者にしわ寄せを押しつけてなし得たことなのだろうか。何とKYなことか。食料自給率の問題、農業従事者の後継問題、食品添加物がもたらす健康被害、問題山積だな。2022/03/21

いもムシ

7
「フード左翼とフード右翼」の中で紹介されていた一冊です。日本の食品価格は安すぎる状態にあり、その原因は安いものを求める消費者にあると著者は主張しています。例えば、納豆1パック(通常は3パック1セットで100円前後)でも、無添加無農薬であればおよそ472円となるそうです。この状況を変えるには、消費者自身が食に対する常識を身につけ、購買という権力を正しく行使する必要があると著者は説いています。納豆は一つの例ですが、そのような適正な価格に、日本の平均年収(又はそれ以下)の家庭は耐えられるのか疑問なところです。2017/03/20

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