内容説明
哄笑、恐怖、浪漫…千変万化のグリムの魅力が味わえる20世紀最後の完訳決定版全集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ティス@考える豚
4
グリム童話のみならず童話ってたまに主人公があっさり死んで寓話みたいになるのがあって好き。狼少年的なの。2016/02/18
きしな
2
本を読み漁ると基本、主人公は善であり道徳心があるのが普通だと気付く。(視点が読者と同じく進む為にも共感性が高い方がいいからではないかと…) そうやって読み慣れた感じで読むとびっくりしますね、グリムは。 終始悪な主人公の比率や怒りに身を任せて取り返しがつかないことをアグレッシブにやってしまうオチ。善なものの助言に一切耳を貸さない無視っぷり…。 逆にいえば語ることで「こうはなるな」という教えにしているんでしょうか? 悪人の出し抜きっぷりからすると「それでもいいよ」と言われている気もしますが…。2014/11/26
ふみ~
1
◆三男は抜け作という扱いだが、実際は長男や次男よりずっと賢く、その物語の主人公であるという話が何篇か見受けられて、これは何を示唆しているのか? なかなかに興味深い◆あとがきのグリム童話成り立ちの秘話が面白い。グリム兄弟が泣く泣く削った話に「子供に金貨と林檎を見せて、金貨を取ったら損得の分かる大人と同じ裁きを下してよい、林檎を取ったら無邪気な子供としてお咎めなし」という、なかなか含蓄のある話があった。こういう話が一婦人の浅慮で童話集から除かれてしまったのは大変もったいないと感じた2014/09/10