内容説明
しなやかに、したたかに、猫と女のモノローグ。響きあう絵と言葉のおくりもの。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lonesome
49
とても味のある一人の女の人と一匹の猫の画。そして最後に猫が二度繰り返す「おれ、今のままでいい。」という言葉が印象に残る。さらに、読み終わった後に「あっちの女こっちの猫」というタイトルに思いを馳せると、何だかとても意味深なタイトルでぐるぐる考えてしまうのでした。2015/02/21
亮さん
10
猫と女の会話。猫は男なのか本物の猫なのかよくわからない。よくわからないけど深い。 以下、好きな文を抜粋。 孤独とは何か。 底なしの自由。 おならをしてたった1人だと気づく時、ほっほっとと笑う幸せ。2017/08/12
sasa-kuma
10
ちょっとシュールな猫と女の世界。佐野洋子さんの直観的な文章が好きです。自由奔放な画も好きです。2015/01/11
たな吉
9
たいそう響いた。2015/03/08
遠い日
7
ふくよかでしどけない裸の女。そして、猫。猫と女のさまざまな姿態が描かれる。野性味とともに逆転した媚さえ感じる猫が、妙に官能的だ。戯れ言のようなことば(詩であり独り言である)が、時々ものすごくぐさりとくる。猫と女は、ときとして同化して、どちらがどちらかわからなくなる。猫の人間批判はごもっとも。ヒトから猫への問いは、少しのリスペクト。猫が言う「今日一日生きて行ける力」、それこそがだいじなもの。佐野洋子という人の奔放の力、奔放にできる力が悲しくもあり、羨ましくもある。2013/11/29