内容説明
しなやかに、したたかに、猫と女のモノローグ。響きあう絵と言葉のおくりもの。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lonesome
49
とても味のある一人の女の人と一匹の猫の画。そして最後に猫が二度繰り返す「おれ、今のままでいい。」という言葉が印象に残る。さらに、読み終わった後に「あっちの女こっちの猫」というタイトルに思いを馳せると、何だかとても意味深なタイトルでぐるぐる考えてしまうのでした。2015/02/21
キジネコ
43
線描の裸婦と墨染の猫、擾乱と平安、女と男、猫の様な人と人そのもの猫、彼の岸と此の岸、そしてエロスとタナトス。生への狂おしい執着は懊悩を孕み、死は得吾の静逸に佇む、ジット見つめ 静かに語りかける声。百万回生きた猫の作者の描く画文集です。謎は、女をあっちに置き、境界を往来する猫をこっちに置いたこと。握り締め 手の中で萎れた野の花と 美を競う高価な花々の束は 其々何に手向けられたのでしょうか? 「一瞬が永遠なのか、一生が一瞬なのか」の一文が意味深に 胸の中で谺します。生死のあわいが又、不確かになりました。2015/06/08
亮さん
10
猫と女の会話。猫は男なのか本物の猫なのかよくわからない。よくわからないけど深い。 以下、好きな文を抜粋。 孤独とは何か。 底なしの自由。 おならをしてたった1人だと気づく時、ほっほっとと笑う幸せ。2017/08/12
sasa-kuma
10
ちょっとシュールな猫と女の世界。佐野洋子さんの直観的な文章が好きです。自由奔放な画も好きです。2015/01/11
たな吉
9
たいそう響いた。2015/03/08
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