内容説明
世紀末のブタペスト。一個の思想的「魂」の「跳躍」と悲劇。
目次
序章 世紀末ブタペスト
第1章 演劇青年としての出発
第2章 エセー時代
第3章 思索的世界での彷徨
第4章 なにものかへの跳躍
第5章 革命敗れて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shin
12
哲学者には、時代を超えて思索のあとを辿れる人と、その人が生きた時代背景、あるいは人生そのものを理解しないと理路(ときに思想的変転)が見えてこない人がいる。ルカーチは間違いなく後者だ。彼のどちらかと言えば上滑りしている哲学的変遷と政治活動への傾倒、そして必然とも見える挫折は、その時代において才能を十分に活かせなかった彼の人生をトレースしないと腑に落ちてこない。マルクス主義者としても批判されながら、政治への「飛躍」を試みた彼の姿は、一方で人間の「物象化」を唱える彼の理性から見てどう映っていたのだろう。2012/07/24
受動的革命
2
マルクス主義の理論家としてのルカーチをかっこに入れ、おおむね文藝批評~ハンガリー革命の挫折あたりまでのルカーチを通時的に追った本。ウェーバー『職業としての政治』における心情倫理/責任倫理と共産党幹部期のルカーチの実践の関係など学ぶところはあったが、マルクス主義者としてのルカーチを読みたかったので期待はずれかな。決して悪い本とは思わないけど、革命時代のルカーチのテロリズムへの批判と、「マルクス主義者ルカーチ」の無視を併置する本書が「現代思想」として教育的に受容されることの弊害はあるだろう。2025/03/23
複製機械
1
伝記多め。結局ルカーチの思想についてはなんだかよくわからなかった。2023/01/20
ローリングエルボー
1
難しい。2015/05/02