内容説明
超豪華執筆陣が一堂に会した、珠玉の中国歴史小説十一篇を収録。いずれ劣らぬ名手の競演。項羽と劉邦、楚の馬殷、武帝の臣、歴史を薬籠中のものとする手練の妙を心ゆくまでお楽しみください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
47
宮城谷さん以下の11名による中国に題材をとったアンソロジーです。残念なことに宮城谷さんのはすでに「玉人」に収められていたもので再読でした。うまい作家ばかりが入っている感じで私は非常に堪能できました。安西篤子、井上祐美子、、田中芳樹、伴野朗、藤水名子等々です。私は安西さん、伴野さんのが印象に残りました。2015/05/12
明智紫苑
6
特に『西施と東施』の話が良い。2013/12/22
遊未
3
すべて中国が舞台だけど、話は様々。この時代でサスペンスを作るとこういう設定になるのかなという「蛙吹泉」。心に残ったのは「茶王一代記」で、まさに極上の烏龍茶のように深みのある味、崇高な香り、残る余韻を持った一篇。読み始めは、商売の話かと思ってしまった。しかし、世は戦乱の時代、一杯のお茶から広がる一生はまさに波乱万丈強固な意志で切り開かれていく。2015/04/19
うたまる
3
11篇収められているが、中には舞台設定だけで特に中国にこだわる必要の無いものもあるし、そもそも文体の相性が合わないものもある。そんな中、大当たりだったのが、木工から王に登りつめた馬殷を描いた『茶王一代記』、英雄とは言えないが中国に西域を伝えた張騫の『汗血馬を見た男』、小学生の作文のような文体ながら味のある『西施と東施』、詩才と狷介さが同居する天才『屈原鎮魂』の4本。今まで読んだことのない作家ばかりなので、ちょっと追いかけてみようと思ふ。2012/05/11
フゥドゥ
2
中国小説の名手たちが一同に会したてんこ盛りの傑作選。かなりお得な一冊。春秋から民国上海まで時代時代のお話を、といいつつ名君名将が戦う話ばかりでなく市井の事件やちょっとした人物小咄など多岐にわたる作品群なので、幅の広い物語を楽しめます 五代十国の話に興味があって、田中芳樹の「茶王一代記」目当てで買ったものの、どの話も面白くてかなりお買い得でした😊2014/12/04