内容説明
南町奉行所内与力並の沢村伝次郎は奉行の筒井に呼ばれた。用件は自分が裁きを下した事件を再探索してほしいという頼みだった。大身旗本の子息二人が殺められた事件で、その旗本家で槍持ちだった下手人は死罪を待つ状態だが、調べると、やさしくて真面目な人柄が浮かんだ。処刑まで時はない。伝次郎は真相に辿りつけるのか。人気シリーズ、落涙必至の第十弾。
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年熊本県生まれ。脚本家、放送作家などを経て、’94年作家デビュー。2020年、光文社文庫「隠密船頭」シリーズが第9回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
57
南町奉行所の定廻り同心であったが同心を辞め、生計のために船頭になっていたが、南町奉行の筒井和泉守政憲に呼ばれて内与力格に抜擢された沢村伝次郎の人情剣戟物語です。六月十八日、旗本三千石で火事場見廻役の秋月市右衛門の息子、数馬10才と祐馬8才の兄弟が、同家下男の半蔵に殺されたとして南町奉行所に届け出がだされ、定廻り同心の林六之助の調べののち獄門が決まった。目安箱に、半蔵は無実だという嘆願書が、秋月家に行儀見習いのために奉公に出ていた安川鶴から出された。筒井奉行は、沢村に調べを命じる。2023/07/23
ひさか
21
2023年1月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ10作目。奉行から冤罪の調査を命じられた伝次郎といつものメンバーが調査。仕置の日が迫る中、真相は明らかになるのか?というドキドキの中での展開が面白く、大団円な決着が単純で楽しい。2023/02/05
犀門
3
No.052★★★★★自らが過去に下した裁きを覆えすのはただならぬ事だが、奉行から直々に再捜査の依頼を受けた伝次郎らは粘り強い捜索を続け、遂に真相を明らかにした!。2023/06/27
goodchoice
1
いいねえ〜伝次郎の粘り強い探索で一件解決!2023/02/26