出版社内容情報
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
大学施設で女子大生が連続して殺された。現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。捜査線上に浮かんだのはロック歌手の結城稔。被害者と面識があった上、事件と彼の歌詞が似ていたのだ。N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
589
S&Mシリーズ第4作目の本書もまた密室殺人。もしかしたらこのシリーズは密室殺人事件のみを扱っているのだろうか。3つの密室に4つの遺体。連続殺人事件として実に申し分ないボリュームだ。本書では建築学科に所属する学生が関わる事件であるせいか、密室トリックに建築の専門知識がふんだんに盛り込まれているのが特徴的。建築が主役の密室殺人ミステリでようやく玄人による建築の正しい知識が盛り込まれたことが非常に目新しく感じた。特に推理小説は建築基準法や消防法のない世界なのだと萌絵が吐露する件は思わず何度も頷いてしまった。2015/04/29
ehirano1
410
ミステリー(≒トリック)の中身云々よりも犀川先生に要所要所に言わせる哲学が非常に印象的で、これがS&Mシリーズを読む楽しみの1つです。2016/02/08
勇波
382
今まで読んだ4作品で意外に犯人の動機がもっとも理解出来た作品でした。派手さはないけどタイトル通り詩的(私的)に完成されてます。あと犀川先生と国枝さんの短い会話の内容には相変わらず圧倒されます(笑)理系ミステリと言われながら、最後の「天然痘、万馬券、空気弁」のくだりにはほんとうけた。これは理系的な解釈なのでしょうか★2014/08/04
カメ吉
261
読み応えのある作品でした。 密室の謎もコンクリートの謎も全て読めませんでしたが読了するとなるほどと感心してしまいます。 大事件の割に動機はちょっと弱い気がしましたが。 けど、やっぱりこの『S&M』シリーズは面白い!ハマってしまいました。2017/03/02
KAZOO
186
よくもまあいろいろ考え付くなあと思います。結構様々な海外の密室ものを読んでおられるのでしょう。若干似たようなのがあります。。ただこの師弟コンビで話を面白くしているのだと感じています。これも密室ものですが、少しひねっているのか前のよりもわかりずらい部分がありました。2016/03/13