内容説明
芸能ショーの人気司会者が自室で死体となって発見された。残された暗号日記は遺書なのか、それとも?芸能界の陰影と密室の謎に挑む。(『殺意の演奏』)。十億円の土地売買をめぐり不動産屋と弁護士が殺される。事件の陰に暗躍する謎の女、利権に群がる地面師。民事裁判の虚実を抉る法廷推理。(『仮面法廷』)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
26
『殺意の演奏』戦後の芸能シーンとして時代を見る面白さはあれど芸能界要素がそこまで強くない。第一の密室トリックとかラストで乱歩賞作品出してくるのとか目くばせが気に入らん。優越感と劣等感のシーソーゲームは人間の内面をちゃんと描いているから見どころはある。『仮面法廷』本職の人だから刑事訴訟法や民事訴訟法の知識が裏打ちされ、ミステリーの題材には地味な地面師事件のリアリティーを担保している。「どこに偽証を破るポイントがあるのか?」という法廷ミステリーの面白味。逆に法廷が終わると普通になって弱い印象。2023/06/05
mintia
8
「殺意の演奏」は、戦後の日本の音楽シーンの記述がためになった。「仮面法廷」は、最後まで犯人が分からなかった。2017/09/30
りえぞう
2
大谷羊太郎さんが最近亡くなったことから読んでみたが、乱歩賞ってこんなに長いの?(枚数制限、あるよね?)と驚いた。受賞作は代表作ではないので、最初に読むべき作品ではなかったのかもしれない。別の回の和久峻三さんの作品は面白かったが、大谷さんのは時代が違うせいもあるが、あまり楽しめなかった。面白かったのが選評で、山村美紗やら皆川博子やらの今や押しも押されもせぬ御大が挑戦して、けっこうけちょんけちょんに言われている。それでも凹まず一所懸命書いたから今があるのだろうけれども。皆さん苦労されたんですね。2022/04/08
sgnfth
1
小粒な感じ2009/08/15