内容説明
気儘に育った医者の娘が、惚れた男は噺家だった。新婚家庭に弟子という輩がウロウロドサドサ。人の飯まで食うは、遅刻はするは、図太く懲りない面々との壮絶バトル!!ケンカっ早い江戸っ子の切れあじ鋭い一撃に、「師匠も怖いけど、おかみさんはもっと怖い」。落語より面白い、小三治のかみさんうちあけ話。
目次
日常風景に弟子がいれば(ああ、粋な風情は夢のまた夢;初めて弟子がやって来た ほか)
女子大生がオカミサンになる(父の生い立ち、母の家;噛みつきキャーサン ほか)
二十四時間修業は厳しい(日本語大学東京弁矯正部;女弟子騒動 ほか)
我が家のメンバー個性派ぞろい(小三治の凝り性;夕張、バリ島、珍道中 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
63
面白い‼︎文句なく面白い。毎日、こんな賑やかな暮らしじゃ身体がもたない気はするけど、弟子一人一人の個性や仕草をよく見てる。これこそ愛だね。今の時代ならパワハラだのなんだの言われそうな場面でも、小気味好い言葉のキャッチボール。落語家さんの奥さんだから、頭の回転も話術も達者なのかなあ。打てば響く…すごく楽しかった。一度しか寄席には行ったことがないけれど、寄席以外での落語家さんの私生活がこんなに色々盛りだくさんだとは知らなかったから、また寄席に行く機会があったら噺のきき方も気持ちももっと変わるかもしれない。2016/11/07
greenish 🌿
56
医者の娘が惚れた男は噺家だった。小三治師匠のオクサマ・小三治一門のオカミサンの、切れ味鋭いうちあけ噺 ---いやぁ度胆を抜かれた!不器用だけど人間愛に満ちた師のオクサマ、さぞや大きな懐で見守っていると思いきや…師の上をいく江戸っ子ぷりで、弟子との壮絶バトルの末の啖呵は天晴れ!落語の滑稽噺を地でいく小気味よさ。でも、弟子一人ひとりの特性を見抜いた手綱裁きはお見事で、毒舌の影に深い愛情も感じられる(分かりにくいけど…)。この師にしてこの妻ありなんだな。今や立派な中堅噺家・三三さん(小たけ)のくだり、もぅ爆笑!2017/07/02
shinn
9
つい先日凄い落語を聞いたばかりの柳家小三治の奥様のエッセイで、噺家の日常とご自身の生い立ち、結婚、生活がすさまじい江戸弁でまくしたてられていて爽快。と書きかけていた感想だったのに、小三治が死んじゃったよぅ!小三治については様々な思い出があるが、小三治本を読んだときに書こう。弟子たちの曝露話が中心。先に亡くなった小八=喜多八の若いころのエピソードが個人的には嬉しい。喜多八好きでした・・・。2021/09/03
りつこ
9
さばさばしていて毒舌で…私がいかにも好きそうなおカミさんなのだがちょっとむむむ…。うちの会社の社長に筆致が似ていてどうにもこうにも…。裕福な家庭で圧倒的に肯定されて育った女性に特有の匂いがちょっと鼻についてしまってだめだった。ゴメンナサイ。決して焼きもちじゃないんです…。とはいえ、弟子たちの話は面白かった。特に三三。2013/03/10
はこまる
2
小三治師匠の奥様のエッセイ。 師匠の事、お弟子さんの事、師匠連の奥様の関係の事など噺家さんの世界の裏側がタップリと書かれている。 文章も大変リズム感良く、まるで落語を聞いているかの如く。 なんて書くと小三治師匠に怒られるのかな?w2017/01/27