出版社内容情報
森 博嗣[モリ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女二名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが…。究極の森ミステリィ第2弾。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
bugbear本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
772
1作目も密室ならば2作目も密室。しかもどちらも一種特殊な建物の中での殺人でいわゆる館物だが、森氏の作品に出てくる建物は大学の特殊な実験のために建てられたという点で現実的である。作者自身が建築学科の教授でもあるため、出てくる建物が特異であっても奇抜さは感じない。建築基準法に則した建物であり、更には犀川の視点を通じて意匠についてのコメントもあり、リアルさを感じる。強い負の感情によって引き起こされた事件は解決編で明かされる真相を読む限り、数学的な論理的整然さを伴っており、方程式を解いたような小奇麗さを感じた。2015/02/09
抹茶モナカ
470
密室殺人事件を理系の学者と学生が謎解き。犀川も、他のキャラクターも、とにかく、煙草を吸いまくる。喫煙率の高さは時代的なものなのか。意外に普通なミステリーに感じたのも、発表から時間が経って、やっと、僕が読んだせいかも。発表当時は斬新だったのかな。それにしても、煙草の描写とか、狂気を内包してはいるかも。言い過ぎかな。2014/10/15
ちょこまーぶる
420
初めての作家さんで一気読みをしたかった一冊でした。実験描写などはちょっぴり難しいかなと思いながら読み進めましたが、密室の謎解きは何度読んでも面白いという事を再認識できましたね。学者らしいタイプの犀川先生とお嬢様学生の萌絵との少し距離を置きながらお互いが惹かれているであろう関係と二人での推理プロセスがこの本の惹かれるポイントで、犯人も自分自身ではぼんやりとしていた人が少しずつ明確になっていくことにハマってしまいましたね。また、この作家さんの本に手を伸ばす機会が絶対訪れると思っています。2015/05/22
夢追人009
381
S&M(犀川&萌絵)シリーズの2作目をようやく読みましたよ。文系の私は理系ミステリにどうしても苦手意識が抜けきれませんが、今回は正統派の密室パズラーでしたね。ミステリー初心者の方にも優しい不可能犯罪トリックのお手本みたいな素晴らしい出来栄えで、意外な犯人、密室の必然性の面でも大満足でしたし、今回は萌絵が犯人に殺されそうになる最悪の大ピンチの手に汗握るサスペンスも大きな読みどころですね。犀川助教授はエンジンのかかりが遅く最初はヤキモキさせられますがヤル気モードに入ると最強の頼もしさで何の心配も要りませんね。2023/01/10
ehirano1
381
S&Mシリーズ第二弾。一作目とは随分雰囲気が変わりましたね。場所が孤島から大学キャンパスに移ったというのも影響していると思います。第一作のインパクトが強烈だったのですが、今回はそのギャップを良くも悪くも楽しむことができました。2015/11/08