内容説明
銃砲規制法案を巡って、今、テキサスは熱かった。モリーは上院を取材中、憎むべき男の姿を目にした。28年前、愛する父の不可解な死を自殺と片づけた保安官だった。おぞましい記憶とともに復讐の思いがたぎる。一方、賛成派・反対派がしのぎを削る議会では恐るべき陰謀が進んでいた。ウォーカーの最高傑作登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
40
とうとうメアリーの翻訳もの読み終わってしまいました。今回は犯罪ライターモリ―の父の死の真相を追いながら州議会議事堂で展開される銃所持に纏わる規制を絡ませ読ませる。議事堂襲撃の計画を知ってしまったバッグレディに助けを求められたモリ―も巻き込まれ後半はまたまたハラハラドキドキ。そして父の死の真相を知るために作家である事のタブーを破る。それぞれの瘡蓋を引きはがして辿り着いた真実とは…。講談社さんこんなに面白いのになんで次の本は出ないの~~!2017/01/22
_apojun_
4
久しぶりにこの人の本を読んだ。まぁ、安定の面白さなんだけど今作についてはちょっと軸が多すぎというか、盛り込みすぎかな。 銃規制法案、ホームレス問題、父親の死の真相、親子の絆、毒ガステロと盛りだくさん過ぎて、いずれも消化不良になっちゃっている感じがしました。 かなり読むのに時間がかかっちゃったので、その辺も影響してるかもしれませんが。2024/09/02
みのにゃー
4
もっと評価されていい作家。モリーのシリーズの1作目は死刑制度、2作目はカルト、今回は銃社会とホームレスについてテーマを絡めながら、父親の死の謎を解き明かす。良質のサスペンスドラマ。後書きには、五作目を執筆中とあったのに、これ以降の新作が無いのが本当に残念。2012/03/20
さるる
3
十数年ぶりの再読。モリーケイツシリーズ第3弾。やはりライターだった父の死の真相と、銃砲規制法案がからんだ議事堂暴動計画とを柱に、もう一人の主人公サラジェーンをとおしてホームレスに対する差別や犯罪、彼女たちの人生の背景など盛りだくさんのストーリー。娘にとって完璧な父親が、実は欠点の多い人物・思ったようなヒーローではなかったと知った時、娘はどう今までの気持ちと折り合いをつけていくのか。最後の方でモリーとサラジェーンが共に戦い、人を救おうとする場面は釘付けになった。結末を知ると、修道女ラ・リサの言葉が甦る。2012/07/30
Jimmy
3
残念ながらウォーカーはこれが著書としては今のところ最後。まだ存命中だからもう書かないのか?もう書けないのか?残念ながら前作「神の名のもとに」が傑作すぎて、少々物足らない印象です。主人公のトラウマとなっている父の自殺の真相(主人公は殺人だと思い込んでいる)を何十年もたってから、銃規制の法案が議会審議中に事件関係者の姿を見たとたんに、過去のトラウマを清算させるべく真相探しを始めるとそこには意外な真実が、というお話。主人公とトラウマとの格闘が迫力は十分あるのだが、お話としての深味が若干浅い。2011/11/05