内容説明
「本格推理」と「本格ミステリー」の区別から作家論まで、自己の信念に従って「本格ミステリー」のさらなる隆盛を熱く語る必読の書。ポーとドイルが産み落とした希有な文学ジャンルは、一度で虜になってしまう魅力を持ちながら、矛盾と破綻に満ちた「遺伝子結合の美女―ハイブリッド・ヴィーナス」だった。
目次
コード型創作の光と影
「眩暈」が内包していたもの
ハイブリッド・ヴィーナス論
幻想論
奇想の昏い森
「奇想の復活」編集についての依頼状
本格探偵小説論
麻耶雄嵩君へ贈る言葉
司凍季さんへ贈る言葉
異邦の扉の前に立った頃〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
7
この頃の島田は言葉を糊塗するあまり、誤解に誤解を重ねていたように感じる。本格ミステリの巨人はこのとき、その只中で孤軍奮闘していた。しかし光はあった。山口雅也の、島田を指して「あなたはボブ・ディランなんだ」という一文。この一言で作者は大いに救われた。2009/03/09
紅藍
2
ミステリー、推理小説、探偵小説という一般的にはほぼ同意義の単語に新たな区切りを設けようとするから、そこを理解するのに苦心する。しかし一度理解してしまえばさほど突飛という事でもなさそうだ。2017/02/09
メーテル/草津仁秋斗
1
島田荘司の本格論を、さらに深めた本。ところどころ、喩えが突飛過ぎて理解できなかった面もあったが、これも読まなければ1巻だけでは島田のミステリー論は理解できなかったかと思う。2015/10/20
tomo
1
ミステリーについてこれほど真剣に書かれたものがあるとは知らなかった。 もっと早く知りたかったなぁ・・・2015/07/12
ata3
1
本格の実りがあるから大丈夫だったんだろう。2011/07/15