内容説明
日米両国が隠蔽を企てた核大国アメリカの最高機密に挑む。一九六五年、米航空母艦タイコンデロガから核兵器を搭載した攻撃機が、パイロットを乗せたまま転落。「ブロークン・アロー」という暗号の核兵器事故の調査報告では、事故現場は太平洋海上とされたが、実は沖縄沖であることが判明した。
目次
第1章 何かを訴える必死な表情を残して…
第2章 水没事故の原因は誰に?
第3章 死者は語る
第4章 なぜ事故は隠蔽されたか
第5章 残された者も、生き延びた者も…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
33
1965.12.5ベトナム戦に参加中の米軍タイコンデロガ空母は一時戦禍を離れ横須賀へ向かう途上、沖縄沖で核搭載の攻撃機をパイロットを乗せたまま転落。最悪事態のシナリオとして核爆弾使用を考慮し飛行訓練をしていた事実。操縦士ダグの日記を交えながら綴られている。しかし簡単な事故後の捜索、関係者へのヒアリング、また調査報告も簡易なもので、死者となったパイロットに責任を押し付けている。べ戦争という緊迫状況の中、事故が抹殺できると思われたのだろう。グリーンピースの暴露がなければこのニュースは闇の中で 続く→2018/12/15
アキ
8
暗号名「ブロークン・アロー」で呼ばれる核兵器消失事故。これまで世界中で発生し、53年前のベトナム戦争時には、日本への寄港途中の沖縄沖で米空母「タイコンデロガ」のエレベーターから操縦士とともに核兵器を抱えたままの艦上攻撃機が転落。水深約5,000メートルの深海へ没し、回収を断念。核攻撃作戦や日本への核持込みという事実を隠蔽しようとした過程で、時の政府によりこの世から葬り去られた一人の人間の存在。それら事実とコクピットを棺とした操縦士の生き様を母思いの青年としての素顔とともに、深海から浮かび上がらせた力作。2017/12/27
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