内容説明
単純な水死と思われた事故になぜスコットランド・ヤードの警視がかり出されたのか。被害者の喉にはあざのあとが残り、その上、アシャトン家ではこれで2人目の水死人となる。当主は有名な指揮者、夫人はオペラ歌手、被害者の妻は画家という名門を、キンケイドが調査していくと、嫌な噂が聞こえてきた…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
75
スコットランドヤードの警視と部下が捜査するバディ物。キンケイドとジェマの云々ぐふふに食いついて手に取ったシリーズで、しかもこの巻狙い撃ちなので、人物象がいまひとつ掴めなかったけれど、面白かった。酒と食事とパブ。アフタヌーンティーにクリスティ談義。ミステリはともかく、あっぱれのリーダビリティで、存分に(30年前の)イギリスを楽しんだ。しかし、キンケイドったら、あー呑気だね(笑) 続きがめっちゃ気になるじゃないか。2020/11/26
ケイ
50
冒頭の子供が濁流に飲み込まれる事件が最後まで尾を引いて、今回の事件と関係があるのか最後まで気にかかった。結局、動機を引き起こすものはありふれているのだけれど、舞台があちこち変わるし、視点がキンケイドとジェマと二人に分かれているので、なかなかミスリードされる。犯人は嫌なタイプだなあ。前巻までのクリスティ的な感じが薄れたのは、キンケイドの男性的な魅力を押し出してきたからだろうか。4、5巻を先に読んだので、1~3をこれでやっと読み終わり、ややこしい関係もはっきりした。2014/04/04
鐵太郎
19
女ったらしで妻に愛想を尽かされていた男コナー・スウィンが死体で発見されます。妻の両親が地元の名士だったことで、ロンドンから呼び出されたダンカン・キンケイド警視。不満を抱えながらも巡査部長のジェマ・ジェイムズと共に捜査にあたります。矛盾だらけの証言の中で、彼らは何を発見したのか、が事件解決のテーマですが、キンケイドとジェマの仲がなんともじれったい。最後はキンケイドがおマヌケなことになりそうですが、この二人の間柄の決着は持ち越しです。まぁ、すれ違いドラマの常道でしょうか。(笑)2019/11/20
みやび
15
第三弾。キンケイド警視とジェマ刑事のコンビにも親しみが湧いてきた。有名人一家の息子が溺死した事故と、それから20年後に姉の夫が殺された事件とは関連があるのか。少し冷たいキンケイド目線と、感情豊かなジェマ目線で描いかれるのが面白いし、時々はお互いを思いあったりするのも微笑ましい。惹かれ合う二人の今後のすれ違い(妄想)も楽しみ!2020/12/10
kyoko
13
関係者一人一人とキンケイドの会話が進むにつれて家族の秘密が暴かれていく。ジェマの思いも挿入されていくので、そっち目線も興味深い。2023/02/19