内容説明
秋葉は北海道出身の純朴な霧子と知り合い、彼女を自分の考える理想の女に変貌させたいと願い始めた。美しい景色、美味なる食事、センスあるファッションなど、すべて自分好みの女にしたいと秋葉は霧子を導いていく。そして夜の営みの中でも霧子は華麗に変身をとげていった。渡辺文学を代表する不朽の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しょーくん@本棚再編中
49
★★★★★★★☆☆☆霧子の人間的・女性的成長のさまに引き込まれて、グイグイ読まされてしまいました。私もお金があったら、秋葉のようなことをしてみたいものです。しかし、男の身勝手で器が小さいのに比べて、女は器が大きいことを改めて思い知らされますね。渡辺さんの作品は、性的描写が巧みで上品なので、官能的なものが苦手な人でもスイスイ読めると思いますね。下巻も早速読み始めました。2014/05/22
東森久利斗
1
男と女の関係がアナログで単純、情緒豊かで詩的、感情の赴くまま本能に忠実で動物的であった時代を象徴する絶滅危惧種なみの古典的な恋愛劇。出版当時、男と女のハートを刺激し動かした大ベストセラーも、今となっては、思わず失笑こぼれる恋愛喜劇となり果ててしまったようだ。懐古、原点回帰のセオリーから言えば、これから、またこんな男と女の時代が訪れるかもしれない。だとしても縁は全くないが…2018/04/02
みーふぃ
1
渡辺さん特有の書き方でなんか読まされてしまう。二号さん?をもつのは たいへんだ。
RINA@愉しみたい冬そして年末年始
1
若い時に、勢い余って(苦笑)読んだ作品。 「源氏物語」や「痴人の愛」に通ずるような内容ではあるけど、最後にヒロイン霧子が自立の道を選んでしっかりと自分の人生を歩み始めるっていう点では、「源氏物語」に多少近いかも。 ただ、渡辺先生の作品って、「女はこうあらねばならない」だの様々な薀蓄が随所随所に散りばめられていて、中高年男性ならこういうのは好きなんだろうけど、老若問わず女性にはウケないだろうなぁ…なんて、思ったりして。 年上のダンディズム溢れるオトナの男性と付き合っている若い女性の皆さんにはお勧めかも。
chie
1
オトコの願望をそのまま小説に表したような作品。文体が合わないものの、読み進めていったけれど、主人公をダンディーでないイメージで想像してしまったため、読むのにだいぶ苦痛が伴う。やってることも全て一昔前に思えてしまい、現実感のなさが余計に苦痛だった。2011/03/22