内容説明
邪教集団「ジェズリールの家」の近くで、小学生17人を乗せたスクールバスが、AK‐47銃で武装した男たちに取り囲まれ、子供たちは地面に掘った穴の中で人質になった。教団では生後50日めの赤ん坊を、神に返すといってすでに42人も鎌で殺している。女性事件記者のモリー・ケイツは恐るべき陰謀に挑むが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
47
ページをめくる手は止まらないぜ!カルト教団に囚われたスクールバスの運転手と子供たちに手が出せないFBI。生贄にされる50日目が迫っているのに打開できないなか、二度と近づかないと決心していた犯罪ライターのモリ―は必死な子供の母親に打たれ独自に狂った教祖の過去を追う。地下に閉じ込められた子供たちの人物描写、静かに暮らしたいと願ったベトナム帰りのバス運転手デミングおじさんに涙が零れ落ちる。モリ―にも魔の手が迫るがこれまた訳ありの元警察犬コパーがいい味出すわで、後半はハラハラドキドキで最後まで納得の出来ですぜ!2017/01/20
まるるこ
26
二度、同じ本を読むことがほとんどない私が、時を経てまた読みたくなる数少ない1冊。 今回3回目。初めて読んだときは、オウム真理教の事件が実際に起こっていて、妙にリアルに感じらました。その時デミングおじさんに恋した私は、いつの間にか、おじさんの年を越してしまいました。しかし、ウォルター・デミングは、私の中で、色あせることなく、いつまでも恋しくていとおしい、あこがれのヒーロー、忘れがたい、物語の主人公です。 何回読んでも、最後、涙するだろう。 登場する元警察犬のコパーも、大好きなキャラです。 2018/03/20
三平
15
スクールバスを襲撃され、武装したカルト集団に連れ去られた11人の子ども達と運転手。 人質を盾に立てこもる狂信者のリーダー、モーディカイには隙がなく救出は難航する。 一体、モーディカイは何に突き動かされているのか。生い立ちを追い、その人となりをつかもうとする事件記者と、監禁されながら、子ども達を生還させる望みをつなごうとするベトナム帰りの運転手ウォルターの視点で物語は紡がれる。 自分の人生を見失った男がいつの間にか他者の為に一日一日を大切に生きる。 おっさんがかっこいい。こういう物語はいいなあ。2017/12/21
かながわ
10
ひっさしぶりのサスペンス。後半イッキ読み出来て良かった。モリーさんにはすみませんだけどデミングさん。傷付いて誓いを立てた男・決して鮮やかではない男、そういうデミングさんが誰よりも勇敢。2021/04/17
優
6
この人はほんとに好きな作家。寡作なのがとても残念。2019/11/23