大衆文学館<br> 雪之丞変化〈下〉

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大衆文学館
雪之丞変化〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 388p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062620154
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

あるときは危機一髪の白刃、またあるときは決意を鈍らせる人情の足枷。女賊の横恋慕、将軍家愛妾の純愛、さらには邪剣の使い手の逆恨みが、次々に雪之丞の前に立ちはだかる。しかし、闇太郎の侠気にも助けられ、雪之丞の復讐の刃は、一歩また一歩と親の仇に迫っていく。そして、ついに凄絶な最後の時がやってきた。映画や舞台の名場面でも知られる、奔放華麗、日本大衆文学史を飾る代表的長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

30
復讐者という汚れ役を、綺麗なままやり切れるかの作者の苦闘は、主人公以上であっただろう。両親の仇の憎き相手も、その娘や赤子まで手にかけるのは日本人のメンタリティには無いもの。(大陸の族滅してこそ孝の誉れは引く)表題の、変化らしい変化はあったが、女形というキャラクターであれば、もっと入れたかっただろうが、サブシナリオに尺を取りすぎた感がある。ともあれネタバレと言わずとも、本懐を遂げて落着するが、理のある復讐と言えど凶器を用いた者に天寿を全うさせないのも、常識にわきまえがあった頃への憧れよ。2025/06/08

ヨーイチ

30
昭和9年朝日連載。長谷川一夫と共に名前だけは知っていた。作者は当時の人気作家にして長谷川時雨の旦那。昔、時代考証の大御所で三田村鳶魚って人がいて、時代小説を散々にこき下ろし、中里介山とか吉川英治も例外では無かったとのこと。昔の人だから江戸時代や武家の知識があるだろうって思い勝ち(自分だけかな?)だが、そうでもないらしい。この作も大娯楽小説で多分「やられた口」だろう。大衆小説自体が近代の所産である訳だが。悪役は悪役らしく、善玉は二つ名付きで格好いい。底流には恋愛と芸術への信仰がある。2017/04/19

NICK6

8
おもしろい!まず最初に断言しておく。そのうえで読了後色々振り返り。表題は雪之丞変化である。はて?そんなに変化した?まず、復讐の決意は、師匠らに慎重さ周到さを求められ抑制気味、その手段と策は他者採用?。私は早々、巻き込まれる方々の方々へ関心シフト。皆さま、キャラ極上。一挙一動、目が離せない。「お初」。盗賊美女の濃厚な情念。転じて濡れた憎悪、殺意の悲哀。「浪路」。確信の恋、絆の永遠。そして覚悟。その全てを信じ愛しきった女の果て。そして極悪非道の「島抜けの法印」の涙。なんといってもこの三人の変化にこそ、泣く! 2025/02/09

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