内容説明
高田の馬場の堀部安兵衛、鍵屋の辻の荒木又右衛門、忠臣蔵で知られる赤穂四十七士…忠臣孝子の復讐譚は、芝居に、映画に、また小説に謳われてきた。仇討、その数は二百を越すという。『仇討十種』で作家デビュー以後、著者はこの日本的美徳をさまざまな形で追求しつづけた。厖大な数の仇討作品群のなかから選び抜いた二十一編は、美化されがちな艱難辛苦の物語の陰の真実をも鮮やかに浮彫りにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みやざき しんいち(死ぬまでにあと1,000冊は読みたいんだ)
5
【4冊目/30冊目標】をー江戸時代の仇討かー、面白そう!と思って読み始めたのだけど、どれもドロドロというかベタベタというか、面目とプライドと体面のぶつかり合いにちょっと食傷気味。でも面白かった。2015/01/25
nizi
3
直木三十五がたくさん書いた仇討ち物を収録。筆致がかなり講談調で楽しい。いくつかは青空文庫にも収められている。というかこれが底本である。2025/02/07
ギルヲ
3
講談や浄瑠璃で有名な仇討話を事実に即してリライトしてみる試み。著者の軽口や講談よりも講談ぽい語り口調も楽しい本なんですが、本書の執筆時に読者が持っていたであろう講談や浄瑠璃の知識がこちらに無いので、いきさつやら敵味方の区別やら話を理解するのに時間がかかるものが多かったです。「浄瑠璃阪物語」や「傾城買虎之巻」なんかはドラマ化されたら面白そうなんですが、いま時代劇は廃れているので残念。2025/01/28
berinangi
0
青空文庫「鍵屋の辻」(35ページくらい) / 青空文庫「ロボットとベッドの重量」(27ページくらい)2015/04/18
MIRACLE
0
処女作『仇討十種』(大正13)の10話に、続刊の『新作仇討全集』(大正14)から11話を加えた短編集(池宮彰一郎「巻末エッセイ」、縄田一男「人と作品」)。直木による前置き、仇討のノベライズ、後書きの構成で、書いている。しかし、どの作品も、読んでいて驚くほど、面白くなかった。処女作ということを割り引いても、ひどい作品集だった。2014/02/04




