大衆文学館<br> 神州纐纈城

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大衆文学館
神州纐纈城

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  • サイズ 文庫判/ページ数 425p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062620024
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

武田信玄の寵臣土屋庄三郎は、夜桜見物の折に老人から深紅の布を売りつけられる。これぞ纐纈布。古く中国で人血で染めたとされる妖しい布だ。この布が発する妖気に操られ、庄三郎がさまよう富士山麓には、奇面の城主が君臨する纐纈城や神秘的な宗教暖が隠れ棲み、近づく者をあやかしの世界に誘い込む。怪異と妖美のロマンを秀麗な筆致で構築し、三島由紀夫をも感嘆させた伝奇文学の金字塔。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shiaruvy

9
【1995.04.20 第二版】小学生時代に死んだ祖父さまの本棚で単行本見つけ,大興奮した大切本(現在虫食い等でぼろぼろ)。書店で文庫版めっけ即購入! 幻想伝記文学の至宝!2017/12/30

みい⇔みさまる@この世の悪であれ

7
☆×3.5…なんとも言いがたい、奇妙奇天烈な小説。それがまた面白みがあるのですが…いかんせんこの作品「未完作品」なのです。ですので、疫病の大本となったあの「火柱」がその先どうなってしまったのか。そしてある人物の起こした活躍は何だったのか…そんな気になる要素たちは私の想像しか出来ないという…ああ歯がゆい!!本中の人物では甚太郎がなかなかいい味を出してくれています。でも、彼は少年なのにえらい「残忍」なのよね…そのギャップがたまらなくよかったです。2012/05/24

イコ

4
青空文庫で読めるけど、電子で読むのは趣味では無かったので手に入って良かった。宇治拾遺物語にある纐纈城奇談を着想に戦国時代を舞台にした伝奇小説である。物語が次から次へと膨らんでいって、かなり面白いところで未完になっている。語彙が豊富で雰囲気があるのと、グロテスクな展開に圧倒される。1925年から1926年連載とほぼ百年前だが劣化しない凄まじい物語だった。登場人物もそれぞれのキャラ立ってるが、国語的かつ論理的なキャラ立ちで言語能力の高さが際立ってる。未完の傑作、この続きを真似して書くことも至難であろう。2020/09/29

ジジ

4
わお。「伝奇小説」というくくりにこれほどぴったりくるお話もあるまいかと。月子の水浴びシーンの描写が笑ってしまうほど執拗でまさしくエロであった。奔馬性癩の凄まじさ。グロ。気持ち悪かった。打ち切りか、ってほどぷっつりと終わっているのになんという清清しさ。2012/03/04

uburoi

3
物語は不気味な赤い布(纐纈)の導きで若き武田の剣士・土屋庄三郎が父を訪ね富士の奥深く踏み込んでいくところから始まる。富士教団神秘境の仮面の教主を尋ねんとするプロットは『闇の奥』に似ていないこともない。と、その庄三郎を追いかける者が現れる。信玄の命だ。鳥刺に扮して鳥黐竿を槍とも使うという『大菩薩峠』ならさしずめ米友といった愉快な好男子だ。その他にもいわく付きの人物像が次々登場しエログロのドラマを繰り広げる群像劇だ。仮面の教主の奔馬性癩患の感染の威力がベトナムの枯葉剤を思わせる凄まじさ。2024/10/12

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